4年連続になりましたこの記事、2022年のベストギア・ウェア。
今年は繁忙が続き例年よりもファストパッキングに出かけられませんでしたが、
なんとか無事過ごすことができ、いろいろな物に触れることができのたで最後にまとめを。
あくまでも私の個人的な感想で、運動の激しいトレイルランニングというよりも、
ファストパッキングやユルいトレランに当てはまるものだとお考えくださると助かります。
また、2022年発売に限らず、私が2022年に使い始めたものをレビューしています。
■シュラフ(1つ目)
NANGA MINIMARHYTHM ZERO 325g
https://nanga.jp/product/sleeping-bag/minimarhythm/minimarhythm-zero-3/
超撥水加工のダウンシュラフで、キルトタイプではなく頭まで覆うシュラフタイプのもので、暖かく軽いものが欲しい。
そんな欲張りな願いをかなえてくれたのがこちら。
ここ数年少しずつパフォーマンスが上がり、年齢も重ね、
1日の行動では疲れなくなってくると、就寝中寒さの方が勝り眠れなくなってきます。
特にキルトタイプの場合、ニット帽やネックウォーマーで頭や首の保温はなんとかなっても、
肩回りの冷えは薄手のダウンを着ても解消できず。そこでこれ。
暖かめの3シーズンであればこれでバッチリ。快適で熟睡できます。
想定使用温度は0度となっていますが、コンフォートリミットぐらいだと考えるのがおススメです。
快適な温度帯は個人的には1桁台真ん中ぐらいです。
0度付近になってくると、マットやウェアに一工夫必要です。
とはいえ、シュラフカバーもいらず、着ぶくれする必要もなく、軽い。
春から秋までのファストパッキングには本当に最適です。
■シュラフ(2つ目)
NANGA LEVEL8-20 UDD BAG 1,540g
https://nanga.jp/product/sleeping-bag/level8/level8-20-udd-bag-2/
2021年の年末に手に入れ、その後1シーズン使用してみて、あらためてとんでもないクオリティのものだなぁと感動。
想定使用(限界)温度はマイナス20度、快適な温度はマイナス11度となっており、これは体感ともほぼ一致しています。
マイナス一桁台後半ぐらいだと正直暖かいを通り越して汗をかくぐらい、薄手のウェアのみでちょうどいいぐらいです。
かなり大きくできているので、ダウンなどを着込んでもキツくなく、かといって緩すぎず適度な空気の層があり、本当にちょうどいいサイズ感です。
ジッパーもしっかりしており、軽量シュラフ特有の生地への食い込みなどもなく、さりげなく蓄光素材で夜も使いやすいのが◎です。
もちろん超撥水加工でシュラフカバーは必要なし。
キルトタイプの同スペックのものと比べると500gぐらいの差がありますが、暖かさは段違い。
キルトタイプのものを使用する場合はダウンフードを持っていっていましたが、これなら不要です。
厳冬期用の一般的なシュラフに比べ収納時にかなり小さく収まるのも重宝しています。
■ザック
OMM MtnFire 15 Vest 245g
https://moonlight-gear.com/products/254481832
Tor des Glacielsは9月で、直前に発売されたのがこれ、本当にタイミングは偶然。
この15リッターという容量で、ベスト型で、フラスクタイプで、
しかもザック下部の真下ではなく背面側にストックを取り付けられるバンジーコードがついているのは、これだけ。
他のザックは、もう少し容量が小さかったり大きかったりすれば同じ条件のものがあるのですが、
この15リッターという容量で、しかもロールトップタイプで少し余裕があって、この軽さというのは唯一無二。
Tor des Glacielsは3~6時間おきにある山小屋での補給のみで、100マイルレースよりも行動食やウェアの量が多くなります。
かといって、真夏のファストパッキングのように20リッターまでは必要ない。
100マイルレース用のザックでは少し小さい。そんな中間をついてきた、本当に「ちょうどいい」のがこれです。
使い勝手も抜群、最低限のポケットはあり行動食は収納できるほか、
とにかくポールを背面下部につければランニングや下りの動作と全く干渉しないのが◎。
他のメーカーのザックは、ポールが胸の前であったりサイド、1本ずつ両脇につけたりするのですが、
いずれも下りや走動作と干渉して、これが300マイルレースとなるとストレスになるのですが、これは本当に理想型。
それなりに生地に耐久性があるのも重宝します。
■ショートパンツ
MMA Side Graphic Run Shorts 124g
https://mountain-ma.com/archives/portfolio/sidegraphicskirtandtee
これ、一目見て、カッコいいですよね。
アースカラーでファストパッキングにもすごく合います。これを履くと春や秋に標高1,500~2,000mぐらいのところに出かけたくなります。
これのポイントはフロントの左右に大きなポケットがついていること。
小屋についてテン場の受付をしたり、ネックウォーマーやグローブをちょっと入れたりするのに、本当にちょうどいいです。
少し風が吹いて手が冷え、グローブをするほどでもないときには手を突っ込むことも…。
背面中央にもジッパー付きのポケットがついていて便利です。
もちろん足さばきの良さは抜群で、さすがMMA、間違いがありません。
アルプスのような高低差、段差のあるトレイルでもストレスフリーです。下りを走っても全く問題なし。
激しいトレイルランニングレースでも大丈夫で、「運動」をベースに作られれているのが、
マスプロダクトのアウトドアメーカーとMMAの違うところですね。
トレイルランニング寄りのファストパッキングに本当に最適で、重宝しています。
■レインパンツ
TETON BROS. Feather Rain Pant 125g
https://www.teton-bros.com/products/mens/shell/feather_pant.html
Tor des Glaciels用の軽量なレインパンツで、3レイヤーで、だけど100gを着るような軽過ぎないもの、ということでこれ。
9月のイタリア・アオスタは、雪も降ることもあるけど、長時間土砂降りということはまず無いので、
200gオーバーのレインパンツではなく、このぐらいがちょうどいい。
もし寒ければ、当然携行しているアンダータイツか、
悪天が予想される場合はデポバッグのウールのタイツを履くことで保温性は確保できます。
これ、両サイドにひざ丈のジッパーも付いていて、厚底でなければシューズを脱がなくても脱ぎ履きができます。
動きやすさは抜群、高低差や段差のあるTor des Glacielsのコースでも干渉しません。
蒸れも少なく、履き続けてもストレスは無く、余計なポケットなども付いていないミニマルで完成されたモデルです。
ウエストがドローコードなのも○、このストレスフリーなパンツはレースに最適です。
■ニットキャップ
RxL メリノウールニットキャップ 43g
https://shop.rxl.jp/products/mwa9001?variant=43552760529149
RxLさんからこの時期に満を持して発売されるメリノウールのアイテム。鉄板のクオリティに感謝です。
このキャップの特徴は他のマスプロダクトのアウトドアメーカーのものよりも、気持ち「目が粗い」こと。
なので、かなり激しいトレイルランニングをすると、もちろん保温性は抜群で暖かいのですが、汗をかきにくいこと。
かといって、汗をかいても汗冷えはしにくく、「寒く」は感じにくいこと。
他のメーカーのものは「目が詰まっている」分、一度暖かくなると一気に汗だくになりますが、
これがRxLさんが作られている真骨頂の部分だと感じます。
いつも思うのですが、ファストパッキングを長く続けて、行動の速度やパフォーマンスが少しずつ上がっていくと、
行動中のウェアはランニング寄りに近づいていきます。その時に、こういうアイテムがとても重宝します。
かといって、ただの化繊のニット帽でいいかといえば、山のファストパッキングではそうはいかない。
ソックスにしてもアームウォーマーにしても、メリノウールという鉄板の素材を、
本当にマウンテンアクティヴィティに適した形で提供してくださるのが、RxLさんです。
これからも山とランニングのどちらにも使えるような、
ハイブリッドなアイテムを作ってくださるのを願っています。
12月29日、30日と、1泊2日で、南ア悪沢岳に行ってきました。
今年は曜日の並びの都合縦走ではなく、サッと沼平駐車場から林道を歩いて椹島からピストン。
2泊3日で予備日も見込んでいましたが、上部は思ったほど雪が多くなくそれほど時間かからず。
1日目は、沼平→千枚岳登山口の吊り橋が17.6kmで13kgかついで3時間半。
千枚岳登山口→千枚小屋は途中脛までの小ラッセルを楽しみつつ6時間半。
2日目は、千枚小屋→悪沢岳は3時間、帰りは1時間半。小屋周辺は腿までのラッセルでしたが上部は夏道が出ているところも。
千枚小屋→登山口は4時間ちょっとで、もうその日のうちに帰宅しようということでそのまま林道歩き3時間半。
今日は山ではなく自宅で年越しです。
風も弱く穏やかな南アブルーを楽しむことができました。
2022年はようやく3年ぶりにイタリアにも行くことができ、いいレースもできて、
本当に忙しくも、なんとかやりたいことを最低限できた、あっという間の1年でした。
2023年は春先以降少しは落ち着きそうで、もう少し多く2022年より泊まりで山に入れればいいなと思っています。
みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。