自分の7回目(内2本はDNF) となる100マイルを走りきることができた。自分たちの世代(年齢ではなく時代という意味で)は、激走モンブラン2009のDVDを観てモンブランを目指した世代と言っていい。自分は海外レースに参戦することはかなわなかったが、いつ開催されるかわからない第1回のウルトラトレイル マウントフジ(UTMF) を、わけもわからず(笑)目指した世代。とりわけ過酷さだけが強調され過ぎた感もある。実際にその練習も、先駆者となる一般市民ランナーがいないのだから、トップランナーのエッセンスをベースに組み立てていった。消化できたか否かは別として。そして、この世代の多くのランナーは転機を迎えている。家庭、仕事といった環境の変化はもちろん、自身の身体は歳とともに変化する。その中でどういう折り合いをつけて、生涯の趣味としてどう楽しんでいくことができるか、その解は人それぞれであり共通の答えはないだろう。
先月、 「それでもレースに出る理由」というブログを書いた。これは逆説的な表現であり、そこに集まる素晴らしい人たちと、そして時には一人で、山と向き合い、あるいはロードで心地良く心拍をあげることができれば、レースである必要もないと思っている。唯一、厳しさという点を除いては。
T.D.T100(リンクは動画)はレースではありません。北米の100マイルレースで活躍するIhara Tomokazu選手のプライベートペース走、そしてそこに集まる人たちのチャレンジと言っていい。多摩川河口のサロ門から多摩川沿いを遡上し、青梅市街を抜けて、山岳丘陵を走り、高水山のピークにたどり着く。そして同じ道を24時間以内でサロ門まで帰ってくるチャレンジだ。レースではないが、自分にとっては厳しいチャレンジ、そう、渡りに船、一石二鳥、自分がこれからも続けていくことができる理想の形なのかもしれない。ここ数年でトレイルランニングを取り巻く環境は大きく変化している。大きな大会で目標を達成することは素晴らしいことではあるけれども、それがすべてではない。生涯、緩やかに、そして時に厳しく、心に刻めるようなものを、皆さんも見つけてほしいと心から願う。