クライミングジムで昭和42年初刊のアルパインクライミング関連の古書に涸沢、穂高、ジャン周辺の概念図を見つけた。概念図とは尾根谷を略図化したものです。先日、自分も穂高連峰のDVDのファンであるハチプロダクションの「ぼちぼちいこか」(リンク)のブログで、春の穂高に来る軽率な登山者への批判が綴られていたのだけれど、そこへの色々なコメントを読むと、なんだかこちらも疲れてしまった。人への怒りとか批判はエネルギーを奪いますね。ブログ著者の方は生死を分ける現場にいらっしゃるわけで、それは怒るのも仕方ないとは思います。登山人口が増えれば、一定の割合でおかしな輩はいるだろうし、昔もいたんじゃないかなと。ただ、怒られ、諭され、段階を踏んで山を理解して行くところを、今は雑誌でのきれいな特集とかSNSでいい結果だけが表面にあると、そうなっちゃうよなぁと。最近は情報の少ない外国人ツアー客も多そうです。閑話休題。当たり前ですが、この概念図は半世紀近く経った今でも何一つ変わりません。尾根と谷、地形が変わることもあるけれど、それは数百年、数千年単位。色々な環境が当時と変わっているのかもしれないけれど、変わらないものには、変わらないもの、変えてはいけないものをもう一度確認するしかない。「自然への畏敬の念」自分は今一度心に留めたいと思います。
追記 : お気づきの方も多いと思いますが、このブログのカバー写真はジャンダルムのトップから北穂高、槍ヶ岳方向を写した写真です。天候に恵まれとても楽しい山行でした。まずは夏山シーズンであっても、きちんとした装備と計画での山行ですね。