UTMFが終わって2週間が経過した。5度目のUTMFはカテゴリー別で表彰台を狙う2人の選手のサポートクルーとしての参加でした。競技者として順位という明確な目標を持ってレースに参加する選手をサポートする事は、自分の視野を広げてくれるものでもあり、とても楽しみにしていたのですが…UTMFがどのような判断によって、どういう形で終了したかは、このブログサイトに訪れる皆様なら周知の事だと思う。ただSNSでアップされる情報は断片的であったり、何かが誇張されていたりするものだ。その中ではDogsorCaravan.com (リンク)が客観的な事実に、岩佐氏の私見を付け加える形でレポートされている。読む側に考えさせて建設的な議論を引き出そうとしているようにも思える。ご一読下さい。
考えるべき事は山ほどあるのだけれど、先ずは自分を含めたトレイルランナー全員が考えるべき事、それは、山とトレイル、そしてその気象にもっと興味を持とう、森やその植生にもっと興味を持とう、そしてトレイル整備に出掛けようという事。もちろんできる範囲で構わない。自分だってそうそう頻度高く行ける訳ではない。
STYコースでの濁流映像が話題になっていたのだけれど、ある方の私見では、航空写真と地形図からその場所の保水力が落ちているような事情を垣間見る事ができる。東西に高圧電線が走り、木が切られ、東の山には電波塔とその管理道なのか防火帯なのか、これも木が大きく伐採されている。そして西側はスキー場にゴルフ場、ゴルフ場は保水どころか水はけが良い芝生や土壌工事がされているはず。調整池によって排水量をコントロールする設計なのかもしれないが、それを一気に超えたのかもしれない。日本の多くの森や里山はすでにこういった開発が行われ、そして困ったことに多くのスキー場、ゴルフ場が閉鎖され、放置されている。行政の方々には申し上げたい。もっとトレイルランニング、オリエンテーリング、ロゲイニングも活用して下さいねと。スキー場でのバーチカルもいいですね。今や手付かずの自然というのはなかなかお目にかかれない。そこにトレイルがある以上、誰かが整備し、管理し、それで維持されている。森や林も日本の場合は戦後の植林政策から人工林がとても多いのです。そして、UTMFやその他人気レースはレースでのボランティア、トレイル整備の経験をエントリー資格にする時期に来ていると思います。ボランティアは小さなレースの方がいい、トレイル整備はレース主催者が行うものだけでなく、様々な行政や地域団体の主催でもいい、トレイルとその周りの植生を肌で感じ、自分達はどういうレースを選んで、どういう走り方をすればいいか、もっともっとよく考えるようにもなると思うのです。そしてトップ選手も遅い選手も、ボランティアもサポートクルーも全て等価に尊い、何か1つが欠けてもレースは成立せず、決してお金を払ったお客さんとそれで儲ける主催者という図式ではない事、スポーツイベントとしては他に例を見ないボランティアコミュニティがベースとなる形態である事がよくわかるはず。6度目のUTMFはあるのか?あるとすればどういう形で、そして自分はどう関わっているのか、主催者だけでなく、トレイルランナー全員が考え、行動すること。それは楽しみでもあるはずだ。