「なぜアメリカの200マイルを走るの?」と聞かれるのですが、「走るのに理由いるか?」とはぐらかすこともあり、多くの人は誤解しているだろうなとも思う。見栄とかプライドとか、距離への呪縛など全くありません。自分の生活の中に山とクライミングとランニングが自然な形で存在している。その延長線上にレースがあってほしいと思うようになった。その範囲内でという事ではなく、ちょっとだけ背伸びが必要なもの。完走できるかできないかギリギリのライン。だから試行錯誤で身体を作る。その人体実験的なプロセスも楽しめる。そうすれば、レースが終わっても自然に走り続けられる。今年もUTMBを目指してモンブランへとみなさんが向かうことになるわけですが、超スーパー級のUTMBを走り終えて燃え尽きないで欲しい。人それぞれのやり方でトレイルランニングを続けて欲しいと願う。自分の走力レベルだと、二晩寝ないでプッシュし続けるタイプのスタート時間、累積標高のある100マイルレースでは、どうしても普段のランニングの延長にあるものではなく、ふらつく足で幻覚を見ながらでも歩くことになる。(危ないからストップした方が良い)一方、アメリカの200マイルはステージレースではありませんが、スリープエイドで仮眠を取り、回復させながら走ることができます。ペーサーをつけて安全に配慮しながら二人で進むこともできます。自分はこれからも一晩でゴールできるコンパクトでローカルな100マイルや、アメリカの200マイル、あるいは長短問わずナビゲーション競技、縦走、ファストパックなどを織り交ぜながら、多角的に山を走ることを楽しんでいくつもりです。
雄大な景色は昨年カメラにたくさん収めたこともあり、今年は自分でシャッター切ることはあまりありませんでした。去年はその素晴らしい山々の景色に感動したのですが、今回は、選手、サポート、ペーサーといった人々の優しさと、それを形成するランニングコミュニティーに心を動かされました。サポートクルーやプロカメラマンが撮ってくれた写真を中心に時系列的に紹介していきます。