「温泉好きか?」
MMAのブロガーは自分の記事も含めて、どれくらいのレビューがあったのかをデータでみることができます。MMAではレースに関する内容、特に国内著名レースに関する記事はとても注目を集めています。それでもそういうランナー(というよりレーサー)たちも、ゴリゴリのレーシングから、少しづつ楽しみ方の幅を広げていくことで、さらに長くトレイルランニングを楽しんでほしいと思っています。ですから温泉のようにゆるーく書き始めたい。「破線シリーズ」とおなじく、シリーズ化なるのか?まったくわかりません(笑)。
温泉を起点終点とするトレイルは、首都圏から日帰りできる箱根湯本や、お手頃な高尾山口にも天然ではありませんが、温泉施設はあります。もう一歩進んで、山の中の温泉、となると、ぐっと秘湯感が増してきます。今回はトレイルランナーなら登ったことはあるであろう雲取山から西へ、三条ダルミを下ると、素晴らしいお湯が湧き出る三条の湯を紹介します。
分水嶺トレイルに参加したことがあるならば、奥秩父主脈縦走路を走っているときに、道票を見て、すごく気になっていたはず。自分も気になってはいたが、訪れたことがなかった。数年前、MMAブロガーでもある友人夫婦に誘われたことがきっかけで、毎年一度は訪れるようになりました。
三条の湯の小屋のご主人はディア・ハンターでもある。増え続ける鹿が笹を食べ、保水力が落ちて土壌浸食が進み、トレイルが崩落するという現象が起きている。実際、雲取からの稜線から降りてくるルートは現在、昔の尾根道を復活させた山地図にはないルートにリボンによって誘導されている。そんな山を守りたい気持ちでハンティングを始めたというだけあって、命を無駄にすることはせず、鹿の燻製などで登山客をもてなしている。今年は若い小屋番の方が新たに入られていた。少しづつ、若い登山客の感性にも対応できるような努力も見受けられた。小屋番の方のブログの写真がとても美しい。https://lineblog.me/sanjo/archives/887513.html
鹿が傷を癒していたことが由来とされているこの温泉は、PHが10を超える強アルカリ泉で湯上りはつるつるである。薪で炊くため、感じることはできないが、源泉はわずかな炭酸を含んでいるとのこと。もちろん、ここは標高1,100mの山の中、石鹸やシャンプーを使うことはできないが、山の中で温泉に浸かる幸せは、なにごとにも代え難い。
紅葉の季節が終わると、冬はすぐそこ。三条の湯は雪に覆われるが、静かにこの小屋は営業している。ここに来たらガツガツと走らず、ゆっくりとした山の時間を楽しんでほしい。