伊豆トレイルジャーニー(以下ITJ)は、流行りのポッキャスやYou Tubeのみならず、多くのブログにもコース詳細はでているメジャーレースですので、ここでは私個人の装備やトレーニング、参加背景を書き残すこととしました。
<エントリーの動機>
自分は2013年3月に行われた第1回のITJに参加している。2013年はその年の12月にフルマラソンのPBを出しており、自身のVO2maxのピーク少し手前ではないかと思う。あれから約8年、その時のフルマラソンのレースペースでは、ハーフマラソンを走るのがやっというのが、年齢という現実でもある。その現実を素直に受け入れつつも、心肺系のトレーニングはできる限り行なっている。いや、むしろ仕事環境の変化でトレーニングに時間が取れない分、強度が高く時間の短いポイントト練習を中心に組み立てている。そういう自分が8年前の自分を追いかけてみた。追いつかないのはわかっていたが、どれぐらいできるのだろうか? 補給、エイドワーク、脚をもたせるテクニック、装備、総力戦で挑んだらどこまで迫れるのだろう。廃止直前のSunnto Moves Countへアクセスし、2013年の自分のGPSデータを取り出した。第1回と今回とでは、コースが4箇所変更されており、少し短くなった分、早くゴールできるはずだが、最後に一山増えたり、参加人数増による序盤の渋滞が長くなった分、ほぼ同じくらいだろうか。
<トレーニング>
上記のように、6〜7年前の70%から80%を継続している。現在の仕事環境の中でトレーニングに割ける時間の限界だう。ロードでのポイント練習が中心となり、その前後を、朝の短いジョグで継ぎながら疲労度を確認している。このわずか20分ほどの朝ジョグをとても大切なものと自分は考えています。1つはメンタル的なもの。生活の中にランニングがあるだけで気分がよい。もう1つは体重のコントロール、そして最後はリカバリー能力の維持。リカバリージョグと称されるが、どんなジョグでも必ず疲労する。休んだ方が回復は早い。ただ、それだとリカバリー能力は維持できない。疲労を感じない程度に気持ちよくジョグをすることで、いくつもの効用があると考えています。
これだけですと山の脚がつくれない。平均すると月に1度か、それより少ないだろうか、高尾で登り下りを意識したルートを作成し、どちらかといえば高い強度で短めの距離(20kmほど)を走っている。これなら、朝一番で山に入って、お昼には下山、午後の早い時間に帰宅できる。100マイルレースのトレーニングと異なるのはこの点だ。100マイルを目指すのであれば、6時間以上の山のロングを低強度でもよいから、楽しく、頻度も高く実践することが必要だとは思います。
<シューズ>
もちろん8年前と違う装備はシューズ。現在はNike Wild Horse 6を履いている。前回の甲州アルプスから実践投入し、気に入っている。Terra Kiger4のソールパターンが好きで、昨年は同じソールパターンのWild Horse5を履いていたが、ソールが少し硬く、トレーニング不足の自分の脚には少々きつくなったきた。後継モデルのWild Horse6は厚めのNike Reactソールで、ロングレースで助けとなるクッション性、ランニングシューズとしての走りやすさのバランスがよいと感じている。ただ、ソールパターンはラグが深いタイプのもので、濡れた岩や木の根では滑りやすい。足の置き方に工夫は必要だ。
<ザック>
特に日本国内はAnswer4、Pargo Works、縦走系になれば他にも様々なチョイスがあり、久しぶりに出た2019年の国内レースでびっくりするほど自分のザックが古いことに気づいた。古いこと自体は卑下することではないのだが、問題は胸ポケットがソフトフラスコに対応していないということ。自分は登山縦走ではパンクリスクと幕営での使い勝手を考えてハードボトルを選ぶが、やはりトレランレースではできるだけ軽量のものを使いたい。プラスチックを減らそうと世の中が動いている中で、ペットボトルというのがどうも居心地が悪い。ソフトフラスクに入れる飲み物をペットボトルで買えば同じことだとは思うのだが。ミドルレースまでなら私でも走りながらドリンクを飲む必要もあり、ソフトフラスクの機能性は改めて必要と感じていた。RBRGで久しぶりに買い物をした。
<補給>
100マイルやそれ以上の超ロングレースでは、できるだけ固形物、リアルフードを食べていたが、エイド時間を短縮したい50Km、50Mileのレースではやはりジェルが中心になる。また、前日にミネラルのタブレットを食事に追加、レース時にも1つエイドでいただいた。これは個人差があり、摂りすぎると気持ちが悪くなったり、マグネシウムでお腹がゆるくなったりと、特に海外レースだと日本のサプリより含有量が多いものが多く、失敗談は多く聞く。自分は過去の経験から果物を取ると元気がでるようで、フラクトースが配合されているジェルをいくつか用意した。ただ、自分の原則として、どんなによいものでも同じものを摂り続けることはできないということ。味だけでなく、数種類のメーカーのジェルを用意した。自分のペースでは1時間に1回、なんらかものを口にする。ジェル1つが多いと感じる場合は、アップルハニーのキャップのついた容器に入ったものから、少量を補給する。そしてエイド直前にジェル1つを摂り、エイドに入ると同時に水分補給、固形物を手に取りそこでは食べずにそのままエイドをでて、歩きながら補給する。(*レースによっては食料のエイドからの持ち出しが禁止されているのでチェックすること)ただ、今回のITJでは土肥駐車場エイドのしし汁(関東でいうトン汁)は急ぎながらも、しっかりといただいた。気温の低いレース、夏でも夜の時間では、暖かいものを摂ると胃が自然と動き出す。そのあとの補給も自然と上手くまわっていく。
<ライト>
普段はレドレンザーの照射時間の長く、広角とスポットが両方あるタイプを使用している。電池の本数も多いので少し重い。オーバーナイトのレースや縦走競技では、その重量を持ってでも、明るく照らすことで眠気を防いで、広角、スポット両方を使うことで、マーキングや道標の見落としを防ぎたいのだ。でもITJのようなマーキングがあり、ライトが必要な時間が短かければ、もっと軽いのがよいと考え、同じくレドレンザーの80gほどの軽量タイプを購入した。値段もお安い。これもレースによってはルーメン数、照射時間に規定がある場合があるのでチェックは必要です。
<その他>
マグネシウムオイルのスプレータイプを100均の小さいボトルに入れて使用した。食事でのマグネシウム吸収は時間がかかり、レース途中で摂ってもどうなのかな?という個人的な疑問もあり、当日朝とレース途中で1回、張り始めた部分の筋肉にシュッと一噴き。効いているような気がします。医学的なエビデンスはございません。
そうして挑んだ過去の自分へのチャレンジ、気持ちよく負けさせていただきました(笑)ただ、本当に気持ちよく。ロードの走力差がストレートに出る序盤の林道での遅れを最後まで縮められず、じわじわと引き離されていった。ただ、その自分とのファイトは心地よく、最後のロードはフルマラソンの最後2kmのように心拍をあげてゴールした。約40分の差、残念と考えるか、よく頑張ったと考えるか。
*8年前の写真をモノクロに加工しなければならないほど、現在も数世代前のレトロ感満載のGPSを現役で使用しています。ほとんど使用されていなかったものを譲り受けたのでバッテリーの劣化は最小限に抑えられています。マーキングのある15時間以内のレースであれば、これでもよいかなと。
「IPAは最高のリカバリードリンク」と誰が言ったのか?(私か?)本当は、ゴール直後は、ジェルで糖質まみれになった私の身体は、野菜やスープ、良質なタンパク質を求めており、レース中に想像するビールの美味しさほどではないのだ。アルコールである以上、身体に良いわけはない。ただ、その夜、あるいは次の日、もっと言えばその翌週末ぐらいまでは、レースの余韻に浸りながら、できればその土地のクラフトIPAを飲むのが、自分にとって最高のリカバリーなのです。レース結果の苦味も、IPAの苦味と一緒に味わうと、次への活力となるのです。
<追記、ボランティアの皆さんへの感謝と主催者への提案>
コロナ禍での難しいオペレーションだったかと思います。本当に感謝したい。そして今回採用されたウエーブスタートは渋滞緩和にとてもよいと思います。コロナ禍でなくても継続してはどうでしょうか。奥多摩の某レースも採用してはどうだろう?あれぐらいの時間差なら交通規制の問題もないはず。一方で、宝蔵院手前の倒木越えと、トレイル出口の脆弱な階段部分での渋滞が長かった。この際、宝蔵院までは全部ロードでもよいのではないでしょうか?それだと宝蔵院のトレイルヘッドでつまるのだろうか?どうせこれから嫌というほど林道を走らされるITJということを、みなさんわかってエントリーしているので、トレイル比率が減っても文句は出ないと思います。中盤以後の選手にとっては、それよりもやはり渋滞がない方が良い。最初から最後まで走りっぱなし(私は歩くが)というのがITJの魅力だとも思います。瑠偉くんは一歩も歩かないのかな?