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Finish
前回の投稿のとおり、ウェスタン・ステイツの四週間前に開催されたトレーニングランに参加し、本番100マイルのうちロビンソン・フラット(30マイル地点)からゴールとなるプレーサー・ハイスクールまでの約70マイル(113キロ)を3日かけて走ってきました。
今回はコースを写真とともに紹介します。
攻略の鍵
ウェスタン・ステイツは累積の下りが約7000メートルに対して上りは約5500メートル。スタート直後に一気に標高2656メートルまで登ったあと、前半にいくつか大きな上りがありますが、全体としては下り基調のコースです。
男子で14時間46分44秒、女子で16時間47分19秒というコースレコードが示すとおり、とても走りやすい、逆に言えば休む暇が少ないコースです。だからといって前半で飛ばしすぎると、後半に潰れてしまいます。また本番は40℃近くまで気温があがり非常に暑くなるので、疲弊しないように水分を摂りながら、上手にペース配分をすることがうまく走りきる鍵になるでしょう。
ロビンソン・フラットからフォレストヒルまで
曇天で涼しい一日となったトレーニング・ラン1日目に走ったのはロビンソン・フラット(Robinson Flat、30マイル地点)からフォレストヒル(Foresthill、62マイル地点)までの約50キロ。下り基調ですが、デビルズ・サムズ(Devil’s Thumbs)とミシガン・ブラフ(Michigan Bluff)の手前にやや大きめの上りがあります。
スタートからロビンソン・フラットまでにはクルー・アクセスが許可されたエイドステーションが幾つかありますが、ロジスティクス的に、クルーがいるランナーの多くはロビンソン・フラットで最初のサポートを受けることになります。このあたりで標高2000メートル弱。人によっては呼吸で高さを感じるかもしれません。
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Robinson Flat付近
このあたりは山火事で焼けた木々が見られます。
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焼けた木々
しばらくジープ道など道幅が広いトレイルが続きます。おおよそ平坦もしくは軽い下り坂です。
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道幅は広い
しばらく進むとシングルトラックのセクションに入ります。進むにつれて下りの勾配が少し増してきます。この地点でスタートから40マイル進んでおり、また出走ランナーが400人にも満たないことから、人が多くて走りにくいという状況にはなりません。
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シングルトラック
トレーニングランでは曇天で雲がかかってましたが、レース本番は十中八九よい天気なので右手に良い眺望が開けているはず。
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きっと良い眺望
ちなみにこちらはエイドステーションで提供されているもの。食べ物はPBJ、バナナ、スイカ、チップス、クラッカー、ナッツ、クリフ・バー、オレオ、M&M’s…、飲み物はコーラ、ジンジャーエール、水、エレクトライドなど。アメリカのレースの標準的な品揃えです。
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エイドステーションの品揃え
デビルズ・サムズへの急勾配は歩いて進みます。
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Devil’s Thumbs付近
この後にもう一つミシガン・ブラフへの大きめの上りがありますが、こちらはそこまで急ではないので人によっては走って登れるかもしれません。ただレース当日は暑くなるので、消耗を避けて歩くのもありでしょう。
ところで、ミシガン・ブラフのエイドステーションでボランティアしていた下の写真の彼女はトレイル&ウルトラ・ランニング史のレジェンド中のレジェンド、Ann Trason。Born To Runでご存じの方もいらっしゃると思います。成し遂げた記録を少し挙げただけでも、ウェスタンステイツ優勝14回(そのうち総合2位2回)、1994年のLeadvilleのタイムは未だ破られず、世界最古のウルトラComrades優勝2回などなど。
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Ann Trasonと。
ボランティアの中には多くのレジェンドが潜んでいます。昨年私がペーサーとしてレースに参加したときにも、あるエイドステーションにハル・コナーがいました。私のようなミーハーは気を抜かず探してみましょう。
フォレストヒルからラッキー・チャッキーまで
気候も上がってウェスタン・ステイツらしい天気となった2日目に走ったのは、フォレストヒル(62マイル地点)から川渡りで有名なラッキーチャッキー(Lucky Chucky、78マイル地点)までの約28キロ。走りやすくスピードが出やすい下りが続きます。
レースではフォレストヒルからペーサーをつけることが可能になります。アクセスも容易なため、非常に賑やかな地点です。速いランナーは昼頃ここに到着します。本番では私はこのあたりを一番暑い時間に走ることになりそうなので、飛ばしすぎてエネルギーを無駄に消費しないように注意したほうが良さそうです。
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Foothill
フォレストヒルの町を離れてすぐのところに赤土の若干走りにくいセクションがありますが、ここは慌てず下ります。
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Foothillを出てすぐ
するとまもなくシングルトラックの走りやすいセクションが始まります。しばらくは木々に覆われた中を走るので炎天下になるレース本番でも多少暑さをしのげます。スイッチ・バックなどもありとても楽しい区間ですが、消耗しないようスピードの出しすぎには要注意。
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シングルトラックが続く。
木々に覆われたシングルトラックを抜けると、左手にアメリカン・リバーが見えてきます。
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American River
ラッキー・チャッキーに近づくにつれて日差しが直接体に当たる区間が増えてきます。でも、腰まで川に浸かって体を冷やせる有名な川渡り(River crossing)まではもうすぐ。
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覆う物が無い
グリーン・ゲイトからフィニッシュまで
更に気温が上がって30℃を超えた三日目に走ったのは、川を渡った向こう側のグリーン・ゲイト(Green Gate、79.8マイル地点)からゴールとなるプレーサー・ハイスクール(Placer High School、100.2マイル地点)までの約35キロ。小さな上り下りがあるものの、概ね走りやすいトレイルが続きます。私は本番ではこのセクションを夜間に走ることになる予定です。
木々に覆われ起伏も少なく非常に走りやすいシングルトラックが続きます。ここをスピードを落とさず走り抜くためにも、前半から中盤までにあまり飛ばしすぎず、しっかり足を残しておきたいところです。
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シングルトラックが続く。
草原のセクションまでくれば、ゴールまではあと15キロ前後。
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草原。
ハイウェー49は車通りがあります。トレーニングランでは車は停まってくれないので左右に注意して渡りました。本番では警察とボランティアが車を止めてくれますが、それでも気をつけて渡りましょう。
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ハイウェー49前
ハイウェー49を渡って少し登ったあと、ノーハンズ・ブリッジまでは少し石があって走りにくい下りがあります。転倒しないように注意。
制限時間ギリギリで走るランナーは、このあたりは二日目の午前中になるでしょう。再び太陽が出て、暑さを感じるかもしれません。
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橋が見える(ノーハンズ・ブリッジではありません)
ノーハンズ・ブリッジまできたらゴールまであと約5キロ。この先にオーバーン(Auburn)の町へ向かう最後の上りがあります。最後のひと頑張り。
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No Hands Brdge
98.9マイル地点にあるロビー・ポイントが最後のエイドステーション。ここからゴールまでは住宅街です。夜間は道がわかりにくいですが、しっかりコースマーキングを目印に進みます。ちょっと見にくいですが、アスファルトには「WS100」という道標もあります。
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WS100
白い橋を渡ればゴールまであとわずか。
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最後の橋
最後はプレーサー・ハイスクールのトラックを四分の三周まわってゴールです。
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Placer High School
本番では私は前半を抑えて、飛ばしすぎた選手を後ろから一人ずつ捕まえるような展開にできればと思ってますが、さてどうなることやら。
2 コメント
[…] 後編では実際に走ったコースを簡単に紹介します。(つづく) […]
[…] 残り20マイルを切った。一ヶ月前のトレーニング・ランでは多少のアップダウンはありつつも比較的走りやすく感じたセクションだが、80マイル走った脚には異なった印象を与える […]