アメリカのトレイルランニング・レースの雰囲気を伝えるときに、私が例えに使うのが「お祭り」。UTMFが日本の大祭、UTMBが世界の大祭なら、アメリカの各レースは地元の祭りといったところでしょうか。
熱狂の渦に埋もれる大祭で感じる高揚感は素晴らしく、毎年世界中からたくさんの人が訪れます。ただ現地の人と仲良くなる機会はそれほど多くはないかもしれません。
一方の地元の祭りでは、みんな力まずゆったりとした時間が流れています。規模も小さいので、いろいろな人が声をかけてくれるし、すぐに顔を覚えてくれます。
アメリカのトレイルランニング・レースは小さなお祭り。ランニング・コミュニティは敷居が低く誰でも受け入れるので、簡単に溶け込めます。
そんな中でもとりわけアメリカのレースらしい雰囲気で溢れているのがオーカス100マイル。私もボランティアとして参加する予定だったのですが、シアトル周辺を襲った100年ぶりの大雪で中止となりました。日本からも三名がレースに参加するために現地入りしていたのですが、残念ながらレースがなくなったので、せっかくということで皆さんといろいろ遊んで回りました。
立ち寄ったセブンヒルズ・ランニング・ショップにいたオーカス100マイルの公式カメラマンのグレンさんは、過去に参加したランナーを覚えているので、店内では昨年に引き続きやってきた人に「おかえりなさい」「あぁ去年こんなことあったね」と話も弾みます。また今年初めて来た人も、来年訪れてくれたときには「去年は大雪で大変だったねぇ」と声をかけてくれるでしょう。
私がこうして日本の皆さんと知り合いうことができたのも、かつてシアトル周辺、あるいはアメリカの他の場所で会ったのがきっかけ。そこから繰り返し会う中で、関係が生まれていきます。
大祭と村祭りのどちらが良いかということではなく、違った種類の体験ができる。そしてアメリカのそれは、人と人との関係のなかで生まれる、心地よい雰囲気にあふれています。
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