Cascade Crest 100 Report

geotrail2_1

いつかは憧れる海外トレイルランニングレース。でも日本だって行ったことのないトレイルは不安を感じる時もある。それが海外のレースなんて。と、悩んでいても新たな扉は開けません。行かなければわからないこと、感じられないことはたくさんあります。

ハリーさんこと高張 和久さんはこの夏、アメリカシアトルで開催されたCascade Crest 100 Mile Endurance Runに参加。ハリーさんが海外レースで得たものは?
 

Cascade Crest参戦記

EastonはSeattleからクルマで1時間半くらいの郊外にある小さな町です。今回、自分はこの町で行なわれるCascade Crest 100 Mile Endurance Runというレースに参加して来ました。

距離103マイル累積標高7000mを34時間で周るというなかなかハードな設定。自分はフルマラソンでもここ数年は4時間台くらいのレベルなので、かなりのチャレンジとなりました。
 

geotrail2_2

スタートは午前9時、牧場の間を抜けて山に入っていきます。スタート後の最初の山が、あいだにAidを挟みながら約1000mUpなのですが、心拍数が最大の90%辺りから全く下がりません。途中のGoat Peak Aidで一旦休憩を入れますが、心拍数が下がる気配なし。
結局、Goat Peak AidからCole Butte Aidまでの更なる上りで一回脚が終わってしまいました。

Cole Butte Aidからは林道の下りで多少巻き返しましたが登り返しの林道は全歩きでBlowout Mtn Aid へ到着。Blowout Mtn Aidで長めの休憩をとりましたが既にカラダは重く、一度は出たものの森の手前で気持ちが折れAidに戻ってしまいました。

正直ココでリタイヤしようとしましたが、エイドスタッフに怒られて仕方無く歩を進めました。森の中の上りは全く上れず途中で休む苦しい展開。しかし、なんとかBlowout Mtnを越えると全体的に下り基調。重力に任せて坂を下っているうちに徐々に脚が前へ出るようになって来ました。100マイルでは復活があるからとにかく粘れとよく言われますがそれを初めて体験しました。

しかし、既に第1関門に間に合わない程時間を消費してます。ワンアクシデントで完走が出来なくなるアメリカのレースの制限時間はホントに厳しい。
 

geotrail2_3

Little Bear Aidは調子も上がってきたところだったのでスルーしようかと思いましたが、楽しそうな雰囲気に引き寄せられました。もうほぼ最後尾のランナーなのに、これまでと同じように細々と世話をしてくれます。この優しさにはホント泣けます。

補給し応援されて再びレース復帰。巨木の間を縫って気持ち良い斜度の下りを駆け下ります。脚は痛いしスピードはそんなに出てなかったと思いますが、カラダが森の空気に溶け込み一体化したような気がしてました。

17時半頃にTacoma Pass Aidに到着。ココでスタッフに、この後全部走っても関門には間に合わないと言われたのでドロップを決意しました。全行程の1/4しか走れず悔しいですが貴重な体験が出来ました。

最初の心拍数異常は恐らく時差ぼけによる睡眠不足が原因だと思います。上りの歩きを含めた全体の平均速度を上げるコトが課題と思いました。
 

geotrail2_3

【アメリカのレース走って感じたこと】

エイドは19箇所あり、大体8〜12kmくらいしか離れてないので、エイドを一つずつ追っていけば前に進んで行けると思います。またエイド間が短いせいかこちらのランナーはあまり補給食を持ってないようです。みんなエイドしっかり食べて次に向かうスタイル。

エイドの食べ物はスイカやメロン、バナナ等の果物やプレッツェルやクラッカー等のお菓子、野菜が包まれたラップや蒸したジャガイモ等です。夜間通過するエイドには暖かい食べ物もあったようです。

飲み物は水かゲーターレード、場所によってはビールもあったみたい。スタッフはみんな親切で、エイドにたどり着くと何をして欲しいか聞いてきます。

この辺りの気温は昼間は24〜28度なのですが、夜間は一桁まで下がります。なのでシェルや手袋等の防寒対策は必須です。

コース上に誘導スタッフはいませんでしたが、マーキングはしっかりしており迷うコトはありませんでした。PCTは少ししか行けませんでしたがとても素晴らしい。地元の人々に守られてる踏み跡がしっかりしたトレイルで、私は熊野古道小辺路に似ていると思いました。実際PCT整備が若者の雇用に役立っているという話しを聴きました。

自分のレベルを超えた挑戦で完走も出来ず何やってんだかと思いますが、得たものは多かったです。何より来年もこのレースに出たいと思ってます。アメリカのトレイルレースはホント最高でした。

Text by 高張 和久