いよいよ12月19日から2013年度のUTMBエントリーが開始された。2013年1月8日までエントリー受付で、定員を越えた場合1月18日の抽選発表となる。エントリー方法に関しては、トレラン情報サイト「Dogsor Caravan.com」に詳しく解説されているので、英語に強くない方は以下をじっくり読んでからエントリーしよう。
年々エントリーが増えているUTMB。参加資格を得るためのハードルも決して低いとはいえないが、エントリーしないとはじまらない。「絶対行ける!」という気持ちを込めてエントリーしたい。
抽選の結果、めでたくUTMB参加が決定したら、まずは日程を考える必要がある。
UTMBに参加する場合は、レース期間が3日間にまたがるので、前後一日に余裕を持たせたとしても、最低5日間は必要となる。飛行機の移動時間などを含めると、一週間程度の日程が必要となるだろう。
UTMBに参加される方の多くが社会人と思われるので、「それだけの期間を休めるのか」という現実問題は目に見えないハードルと言える。事前のネゴシエイトをお忘れなく。
日程が決まったら、宿泊先を決めよう。宿泊地はUTMBのスタート&ゴール地点、CCC、TDSのゴール地点であるシャモニー(フランス)が現実的だろう。CCCとTDSはクールマイヨール(イタリア)からのスタートになるが、当日はシャモニーからクールマイヨール行きのオフィシャルバスが用意されている。
シャモニーは観光地なので、ホテル以外にもコンドミニアムやウィークリーマンションなど、予算や旅行スタイルに応じて様々な宿泊施設がある。ただ、UTMBウィークには7000人以上のトレイルランナーが世界中からシャモニーに集まるので、早めの手配がよいだろう。情報は手軽に集められるというわけではないので、WEBや過去に参加された方のお話などを参考に検討しよう。
また、日本からのUTMB参加ツアーも用意されているので、「自分で手配するのは心配、面倒」という方は、ツアーを利用するという方法もある。
シャモニーはモンブランの麓町で、四方を山に囲まれた登山の一大観光地だ。国はフランスになるが、日本から行く場合はスイスのジュネーブ国際空港から向かうのが一般的。
日本からジュネーブへの直行便を用意している航空会社はなかなかなく、ヨーロッパ内で乗り継ぐルートとなる。料金は時期や航空会社によって様々だが、15万〜20万くらいが目安だろう。早割などを利用して、なるべく抑えたい。
ジュネーブからシャモニーまでは約80kmで、車で移動して一時間程度の距離だ。タクシー、レンタカーなどの選択肢もあるが、乗り合いバスが便利。UTMB公式サイトにもオフィシャルトランスポートとして紹介されており、バス会社によっては宿泊先前まで行ってくれるので、坂道の多いシャモニーでは活用したい(大きな荷物を持っての町の移動は大変)。価格的にも割高感は感じるほどではない。
シャモニーに到着したら、その景色に感動することだろう。モンブランをはじめ4000m級の山々に囲まれ、木造や石造りの建物が並ぶ街並はとても味わい深い。また、いたるところで花が飾られ、より一層街並の美しさを引き立てる。日本とは全く異なる文化は、とても魅力的に感じる。
登山の観光地だけあり、街の中心地にはアウトドアブランド、ショップが並ぶ。ウェアやギアの現地調達はまったく問題なく、逆に日本では手に入りにくいものを探す楽しみもある。
飲食店やスーパーも多く、食事に困ることはないだろう。現地ならではのレストラン、日本の味を楽しめる日本料理屋など、お好みによって様々な店にチャレンジしてみよう。せっかくシャモニーに行ったのなら、レース以外もエンジョイしたい。
ご家族と一緒に行く際にも心配無用。登山観光地のシャモニーの楽しみ方はいろいろとある。あなたが走っている間も、家族には遊んでいてもらえばいいのだ。
シャモニーに行ったら、やっぱり山を楽しみたい。Aiguille de Midi(標高3777m)、Le Brevent(2525m)へもロープウェイで手軽に行くことが出来る。自然の偉大さを感じる壮大な景色は、日本国内ではなかなか味わうことが出来ない。ただし、手軽には行けるといってもAiguille de Midiなどは富士山以上の高さ。気温差も大きいので、防寒装備などはお忘れなく。
下りはロープウェイで戻ってもよいが、体力と時間に余裕があれば、(途中からでも)トレイルを歩いて下ってみよう。シャモニーには数えきれない程トレッキングコースがあり、走ってもよし、歩いてもよし、自然を満喫することができる。山に囲まれ、街から数分でトレイルに入れる環境は、トレイルランニングが現地の方々にとって身近な存在であり、カルチャーとして根付いていることを感じさせる。
さて、そろそろレースの準備を始めよう。
(続く)