トレイルランニングに不可欠なのが数々のギア類。走るために必要なシューズやザックに始まり、機能素材のウェアやボトル、小物、ソックスなど、こだわればこだわるほどその奥深い楽しみを味わえ、トレイルを走る楽しさとはまた別のトレイルランニングが持つ魅力のひとつ。
ただ優れたプロダクト=万人に対応するプロダクトではないところがまた面白い。ランナーの特性が様々なように、ギアの特性も様々。レースの内容や走るトレイル環境、時期によって使い分けたり、相性などもあります。また、自分だけが知る喜びなどもあるかもしれません。
そんなギア選びに少しでも参考になるように、MMAブロガーがお薦めのギアを紹介致します。メジャーなあのアイテムから、マニアックなアイテムまで、さすがこだわりを持つMMAブロガー。市民ランナーだからこそ共感できる使用感(レビュー)が、少しでもみなさまのお役に立てればと思います。
野々山 正章(THE THINKER)
ARC’TERYX M’s ADVENTUS COMP POLO SS
Patagonia M’s Stretch Houdini Board Shorts
たまには、メローな気持ちで、山沿いのカフェに少し遠回り、トレランがてら行くのも良いですよね?
なんてスタイルが京都や神戸では可能なのですが、そんな時に、たまにはカラードのシャツで走ってみるのはいかがですか?
ADVENTUS COMP POLOは、少し大きめの裁断で風を通しやすく、涼しく感じます。嬉しいことに、脇の下の素材は、Phase SLの生地です。汗を生地内に広く拡散させることでサラサラの質感を保持する生地で、使用感最高です。また、消臭機能も持っている生地なので、街中に降りてきても安心ですね。
PatagoniaのStretch Houdini Board Shortsもサラサラの着心地とその軽さ感を持った上でかつ、シルエットもきれいです。特筆すべきは、その軽さ!たたんでめっちゃ小さくなります。
ボードショーツですが、今年のPatagonia SSのBest ランニングショーツなんじゃないか?っていうくらいの出来の良さだと思います。28inch ~ 40inchのサイズがあるので、今までのS/M/Lでは何となくサイジングが。。。って方もジャストサイズを選べると思います。さらに言えば、バリバリのレーススタイルで走ったあとの着替えとしても最高ですよ!
写真でもそうなのですが、ザックスタイルではなく、腰にシンプルハイドレーション+ワラーチ、ポケットにシリアルバーを入れてくらいのミニマルさで山に入って午前中の涼しい山の中を駆け抜けてください!
戸井田 淳(走ったり、歩いたり・・・)
わたしのおすすめのGEARは、つねに愛用しているOMMの15L BACKPACK。普段使いから本格的なトレランまで使っています。
まず容量が私に合っているのがいちばん!会社帰りの帰宅ランにも着替えを入れてシューズをコンプレッションに挿むとちょうどの容量なのです。
またこのPACKは背中にフィットしてとても背負いやすく出来ていることが使ってみると非常によくわかります。生地も手荒く扱うわたしでもそれほど『破れ』とかを気にしないで使えるくらいの耐久性があり適度に軽量なのです。
ブログにも書きましたが、5月8日の和名倉山と5月22日の雲取山にも持っていきました。写真は雲取山で撮影したものです。
一瀬 圭介(凸凹)
自分で調理するエイドステーション
トレイルランニングのための必須ギアは色々ありますが、必須でないモノを加えることで、楽しみ方のバリエーションも広がるのではないでしょうか。
その1つが、” ホットサンドメーカー “。
シングルバーナーと一緒に持って行けば、トレイルランニング山行の折り返し地点の山頂で、淹れたてのホットコーヒーと、焼きたてのホットサンドのエイドを開設するができるのです。(※火器の取り扱いが可能な場所か否かはご確認ください。)
ホットサンドメーカーにも種類が多数ありますが、サイズ、重量、使いやすさを考慮しても、おすすめの一品は、
【ホットサンドメーカー ニュー・バウルー(シングル) BW01】
山に上がる前に、道の駅などでご当地のハチミツなどホットサンドに使える具材を買ったり・・・というのも、その土地を愉しむポイントかもしれませんね。
「動いて食べて、動いて食べて」
ギアの重量を1gでも軽くする世界もありますが、みんなで道具や食材を分担して、頂上に担ぎ上げるトレランスタイルにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
写真は高尾山にて開催したノルディックウォーキング&トレイルランニングのイベントにて。ホットサンドを愉しみ過ぎて、1時間以上のエイド休憩となりましたが、これもこれで良し!
ランブラー(RUN or DIE)
最近トレイルランを始めた人はpatagoniaがトレイルランパックを作っていたというのを知らない人もいるかもしれないが、自分がトレイルランを始めた4年前に当時一番イケてたパックがこのpatagonia / houdini pack。最近はpatagoniaのhoudiniといえばジャケットを指すのだけど、当時houdiniといえばpackを指す意味の方が強かった。残念ながらこのパックは現在廃番で、ヤフオクやebayでもほとんど見かけなくなった。
で、何でこのパックをイチオシするかというと、重量600gくらいあるので最近のレースパックとしては重い部類にはいるのだけど、いかにも走ります!的な印象が無いので、普段使いや通勤・帰宅ランそして着替えを背負って走るファンランで使いやすい。そして、耐久性が高いので4年間使っていても未だに全く破れたり故障なし。そして容量も適度で冬服は少し厳しいけど夏服なら余裕で収納できる。
背負い心地や腰へのフィット感、荷物を収納した時の安定感は良く出来ていて、とにかく使えるパックなのでイチオシにしたというのもあるけど、パックがどんどんレース志向になっていてこの手の”スタイリッシュでカッコ良くて”通勤ランで使える収納容量(12L)の大きいパックが絶滅状態に近い。ということでユーザー視点からの問題提起としてイチオシにしました。
たまにpatagonia直営店のディスプレイでマネキンが背負っていたりするのでその時は要チェック。
渋井 勇一(文系ランナーZ)
ALTRA LONE PEAK
トレランのシューズ選びってけっこう悩みません? 各社から魅力的なモデルが毎シーズンリリースされて、もちろんどれも機能的には優れているので、さらに悩みが増す。。。そんな悩みから解放されるには、自分なりの選択する視点を決めることだと思っています。
ぼくは何のギアでもふたつの視点を重視します。ひとつは機能とデザインのバランス。どんなに機能性が高くても、デザインがイマイチなのはパス。逆にデザインが優れていても、機能的な部分で足りていなければ、トレイルを走るという行為に対してリスキーになってしまう。そしてもうひとつの視点は、独自性があること。独自性があるということは他社と異なる視点でのモノ作りをしているわけで、その姿勢をぼくは支持します!(そしてブログのネタにしやすいです)
ということで、リコメンドするのはALTRA LONE PEAK。アメリカ生まれのこのシューズ。指先に遊びのある幅広いウィズと、つま先と踵の高さが0mm、つまりゼロドロップが特徴的。ぼくは普段走る際はminimusがほとんどだけど、さすがにそこそこの距離になってくるとminimusだと不安。そして昨年はロングレースはHOKA one oneでチャレンジしたけど(実はドロップ差4mmでフォアフットランナーも違和感なく履ける!)、日本のトレイルだと相性が合わない時がある。その点、ALTRAは守備範囲が広く、テクニカルなコースにもロングレースにも対応出来る。たしかに独特な履き心地ではあるが、それがネガティブかというと全然そんなことはない。100マイルを走りきる快適シューズ!(ぼくは100マイル走ったことはありませんが)
そしてなんといっても秀逸なデザイン!グレーのボディにイエローで山を象ったアクセント。アスリート然していなくて、どちらかというとオールドスクール感すら感じる!普段履きに使うトレイルランナーも少なくありません。最近1.5にバージョンアップしたけど、ぼくはやっぱりこの初代が好き。
西岡 仁(MOUNTAIN MARTIAL ARTS)
ギアというと「カッコ良い」&「機能」を連想するが、冷静に考えてみて、これまで一番自分を守ってくれたギア、命にとって一番なくてはならないと思えるギアって何だろうと振り返ってみた。すると、地味だがやはりこの相棒なくしては語れない。
トレランのレース、特に夜間や高地を含むレースにおいては、経験上「防寒」と「いかに汗で身体を濡らさないか」が重要になる。この点、フラッドラッシュは身体にいちばん近い部分をドライに保ってくれるので、どんな条件下でもある程度の安心感を持って走ることができる。また余談だが、夜間や高所に行く際は防寒着はもちろん、フラッドラッシュの上に着るランニングTシャツの替えを持っていくことは重要だと思う。その2枚が乾いた状態であれば、その時点でかなりの防寒ができていることになるからだ。
なお、フラッドラッシュには「スキンメッシュ」の他に「パワーメッシュ」「アクティブスキン」と3種あり、どれも秀逸。その中で、個人的には肌触りがやさしく長距離でもストレスのない「スキンメッシュ」を特に愛用している。
最後になるが、MMAのアイテムを紹介するとわざとらしいのでやめておいたが、やっぱり紹介すればよかったかな(笑)。MMAにもいいアイテム一杯あるよ(ということで、自分の写真はMMAのON/OFF Tシャツ笑)!