スリーピークス八ヶ岳トレイルのコース整備に参加し始めて6年目、
毎年4~6月のライフワークになりつつあります。
スリーピークス八ヶ岳トレイルのコースは、八ヶ岳の最南端、山梨県北杜市(ほくとし)にあります。
北杜市は晴天率が日本一で、冬も晴れることが多いのですが、厳しいコンディションとなることもあります。
冬場は麓の標高1,000mでもマイナス10℃となることも、
荒天の時は風が強く、雪がドッサリ積もることもあります。
なので、春を迎えた八ヶ岳の森にはたくさんの倒木や無数の枝があります。
ただ季節が進むのは早く5月にはほぼ雪解け、日当たりの良さもあってトレイル上には笹が勢いよく伸びてきます。
なので、コース整備は冬が明けた4月から、スリーピークス八ヶ岳トレイルが開催される6月2週までの間に短期集中で行うことになります。
今日集まったのは7人、4人と3人のパーティーに分かれ、速いメンバーは2,250mまで上がり倒木の処理と笹刈り。
ゆっくりのメンバーは1,900m付近の笹刈り。どちらもスタートは1,350mなので、刈り込み鋏などの道具を持ってハイクアップすることになります。
一般の方では登るだけで2時間、3時間。作業できる時間はわずかですが、これができてしまうのがトレイルランナーならでは。
作業は至って地味、写真は笹刈りの様子。
笹は冬でも枯れないので暖かくなるとすぐに成長します。
ひたすら刈り込み鋏でトレイルが見えやすくなるように刈っていきます。
倒木は折りたたみの鋸を使って切り、トレイル脇へ移動。
折りたたみと言っても刃が長いのでけっこう太い木でも切れます。
スリーピークス八ヶ岳トレイルのコースの地元に、イギリスご出身のジュリアンさんという方がいらして、
この方がチェーンソーや草刈り機を持ち運びながら何度も整備をしてくださっています。
八ヶ岳の森はかなり年齢を重ねていて木が倒れやすくなってきているのと、
天女山と観音平を結ぶ八ヶ岳横断歩道はあまり人が通らずトレイルが踏まれていないこともあり、崩れやすくなってきているのを年々感じます。
メジャールートであれば整備業者による有償の作業や、地元山岳会の方による手入れがされるところもありますが、
八ヶ岳横断歩道や、鐘掛松から三ツ頭に登るルートは人の手が届きにくく、
登山道として、トレイルランニングのコースとして利用し続けるためには、有志の継続的な取組みが必要です。
なぜ自分がこのコース整備に携わり続けるのか、理由はシンプルで、まず八ヶ岳が好きだから。
毎回コース整備の朝は三ツ頭や権現岳に登るのですが、景色が本当に素晴らしい。
赤岳、向かいの南アルプス、富士山、奥秩父、遠くは中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスと全部見えます。
登山口まで車でアクセスでき、1時間半ほどで絶景にたどり着ける。こんなところは本当に珍しい。
そしてもう一つ、自分がトレーニングするコースは、自分で整備するということ。
おそらく四季を通して、自分が一番このトレイルにお世話になっています。
アスリートとしてのトレーニングも必要で、全てのレースやトレイルのコース整備には参加できないけど、
どこか一つには継続してお手伝いしたいという想いがあって、トレーニングがてらこのエリアに通っています。
スリーピークス八ヶ岳トレイルというレースは、日本のトレイルランニングレースのロールモデルとなるような存在。
大規模大会ではなく大口スポンサーは無い中で、ゲストスタッフ(ボランティア)の力を借りて地域に根ざした大会となりつつあるこのレース。
大会会場のブースは充実していて、装備チェックもお手本のようにしっかりと確認、前夜祭は大盛り上がり。
コースは素晴らしく、長いコースは走りごたえがあり、短いコースは初心者でも安心して参加できる。
このレースがこれからも続いていけるよう、少しでもお手伝いできればいいなぁと思っています。
来週、再来週も直前のコース整備があります。
ご興味のある方はぜひ一度ご参加をお待ちしています。
トレイルへの向き合い方や感じ方に、新しい気づきがあるかもしれませんよ。
https://www.facebook.com/trail38/