3年連続のこの企画、2021年のベストギア・ウェア。
ギア・ウェア関連の投稿はページビューが伸び、時間が経っても読んでくださる方がたくさんいらっしゃいます。感謝しています。
あくまでも私の個人的な感想で、運動の激しいトレイルランニングというよりも、
ファストパッキングやユルいトレランに当てはまるものだとお考えくださると助かります。
また、2021年発売に限らず、私が2021年に使い始めたものをレビューしています。
■シューズ
HOKA ZINAL 242g(27.0cm)
https://www.hoka.com/jp/zinal/1119399.html
INOV-8 TERRAULTRA G 270 WIDE 254g(27.0cm)
(※アドレスが見つからなかったため未掲載)
どちらも甲乙つけがたかったので2つ紹介。
まずHOKA。私は普段ロングディスタンスの効率的なフォームを身につけるため、
ベアフット系の薄いソールのシューズを履いていて、
HOKAはその対極にあることから候補には入りませんでした。
ただ、これまで履いていたINOV-8がここ2,3年甲高の小さいシューズを出すようになり、足に合わなくなったため、
自分の足に合うもので、なるべくソールが薄く、ドロップ差の少ないものを探していたところこれが今年発売されました。
接地感覚はINOV-8のTERRAULTRAとほとんど同じでちょうどいい感じ。
サーフェスの状況がそこそこダイレクトに伝わってくるのでガレ場でも安心して足を置けます。
VibramのMEGAGRIPなのでドライだけでなくウェットでもしっかりグリップします。
そして耐久性が思ったより高い。
写真は既に1,200kmほどファストパッキングやトレランで使い、さすがに裏のラグはすり減り、滑るようになってきましたが、
アウトソールは見た目とは裏腹にまだまだ使える感じ。
9月の山梨1週もこれでしたが、アルプスから里山までオールラウンドにこなしてくれ、軽くて走行性能も高く重宝しています。
唯一改善点があるとすれば、縦方向はしっかりグリップするものの、横方向はズリっと滑るので、ラグの配置を見直すぐらいだと思います。
続いてINOV-8、最近のINOV-8のモデルにしては甲高の人でも圧迫なく履くことができ◎。
接地感覚はTERRAULTRA 260や270と同じで地面をほどよく感じやすく、
ドライでもウェットでもかなりグリップ。
HOKAよりも横方向の滑りにも強くアルプスにはこちらの方が向いています。
こちらもアウトソールは見た目すぐボロボロになるのですが耐久性は高く、
写真は1,100km以上履いたもので、こちらも滑るようになってはきているもののまだまだ履けます。
5月の東海自然歩道3泊4日はこれでしたが、同じく走行性能も高く安定していて長距離に向いています。
■ツェルト
Finetrack × Highland Designs Zelt I HD Custom 227g
https://hikersdepot.jp/items/10357.html/
2020年に発売されたもののコロナ禍でなかなか使う機会が無く、
2021年にようやく使い込めたHiker’s Depotさんのカスタムモデル。
通常のツェルト1にサイドリフターが追加されており、
重さはほとんど変わらないにもかかわらず居住性・快適性がアップしています。
ストックシェルター/トレイルシェルターは、シェルターの中で着替えるのはかなり難しいですが、
これなら中でもスムーズに着替えることができます。
また、サイドリフターを使うことでストックにかかる重さが軽減されているのか、荒天時の安定性が増している気がします。
強風時の使用でもビクともせず、生地がバタバタゆれてカラダやウェアにつく、ということもありません。
シェルターとほとんど重さも変わらず、かさばらず、ペグが6本必要なことを考えても、
張る手間を惜しまないのであればこの方が断然快適です。
とはいえ、あくまで「ツェルト1」。居住性は限られます。
余裕を持って中に荷物を置いたり着替えたりしたい方は、
定番のツェルト2ロングをチョイスすることをオススメします。
このモデルはあくまでも、重量は最軽量クラスで、だけど最低限の居住性は欲しい、という方向けです。
■グローブ
R×L メリノグローブ ミッド 37g(ペア)
https://shop.rxl.jp/collections/merino/products/mwa9504?variant=40756434272439
今年もまたR×Lさんがとんでもなく素晴らしいものを出してくださいました。
このメリノウールのグローブ、この重さ、コンパクトさでとても暖かいです。
使用環境や人により違うとは思いますが、ちょうど昨日走ってきたツールド長野で、
マイナス2℃の小雪がチラつく環境でも単体使用で問題なし。
濡れにも強く冷えを感じにくく、これまでのモデルよりも防寒性が格段にアップしています。
また、腕時計の穴がこれまでは左だけにあったのが、左右両方につけられ利便性も増しています。
私はGARMINのfēnix 6 Pro Dual Powerという大型のGPSウォッチを使用しているのですが、
ちょうど穴にはまる大きさで、穴の大きさもよく考えられています。
手首までの長さもちょうどよく、インサレーションのサムホールとの相性も抜群です。
また、耐久性が高く、9月からアルプスなどでガンガン使っていますが、
ほつれもほとんどなく、洗濯縮みもそれほどしないため、税込み3,080円というお値段は驚愕のコスパです。
これから冬季のインナーグローブとしても試してみたいと思っています。
一つだけ気をつけるとすれば、少し目が粗いため、アルプスの稜線のように風が強い時には1桁台前半ぐらいの気温でも寒さを感じることがあります。
このため、風が強いところでは大きめのサイズのシェルグローブか、テムレスのようなものをアウターグローブとして合わせるのがオススメです。
■GPSウォッチ
GARMIN fēnix 6 Pro Dual Power 72g
https://www.garmin.co.jp/mobile/products/intosports/fenix-6x-pro-ti-black-dlc/
2019年発売モデルですが、国内や海外の山岳地図を入れ込むことができ、
ナビゲーション機能もついているフルカラーのものということで今年使い始めました。
これを使い始めてファストパッキングのスムーズさが桁違いになりました。
今までは紙地図やスマホのアプリで確認していたルートや現在地確認がこれ1つで済むことに。
行ったことのないところの場合は、山岳ルートのサイトにあるGPXファイルをダウンロードして組み合わせることで、
ナビゲーションがとても楽になりましたが、逆にこまめに地図を読んで地形を確認するようになり、日常的に地形を読むクセもつきました。
ナビゲーション画面を常時表示すると電池の消耗が大きいですが、時々使うくらいであれば駆動時間も長く、
ファストパッキングなら2,3日は充電無しで使えます。100マイルまでのレースなら、ほぼ充電無しで使えます。
本当はイタリアのTor des GlacielやイギリスのSPINE RACEで使ってみたかったのですが、
来年以降の楽しみです。
■モバイルバッテリー
ELECOM DE-C17L-5000BK 115g
https://www.elecom.co.jp/products/DE-C17L-5000BK.html
一昔前のモバイルバッテリーをファストパッキングに持って行くと、
GPSウォッチを充電しようと思っても5分くらいで充電ランプが消えていることがよくあります。
GPSウォッチは消費電力が少ないため、昔のモバイルバッテリーでは「使っていない」と判断されてしまうようで自動的にOFFになってしまいます。
このため「低電流モード」に対応している必要があるのですが、
国内で手軽に手に入れられるのはAnkerとELECOMだけ。
しかもAnkerは10,000mA以上の大容量のもののみ低電流モード対応で重いため、
5,000mAで低電流モード対応となるとこれ一択になります。
9月の山梨1周1週間もこれ1個でギリギリ間に合いました。
GPSウォッチは5回くらい継ぎ足しで充電し、残りはスマホとヘッドライトで分け合って使いきった感じ。
10,000mAの方が余裕はありますが、重さも一気に重くなりかさばるので、
ファストパッキングでは5,000mAというのが今のところの最適解です。
Anker含め大体のモデルが、一定時間以上ボタンを押し続けるとランプの色が変わり低電流モードになります。
こんなところですが、今冬使おうと思っているものをいくつか紹介。
■シュラフ
NANGA LEVEL 8 -20 UDD BAG 1,540g
https://store.nanga.jp/collections/sleeping-bag/products/level-8-20-udd-bag
コンフォートリミットが-20℃対応の、UDD(撥水ダウン)シュラフ。
今までHiker’s Depotさんのキルトタイプで1kgを切るUDDモデルを使用していたのですが、
-20℃の厳冬期テント泊ではさすがに寒く、特に肩回りの寒さが如何ともしがたかったため、
やはり頭までを覆うもので、UDDモデルは無いかな… と思っていたところタイムリーに発売されたのがこれ。
シュラフカバーがいらないので、今までとの重量差は400gぐらい。
しかもかなり暖かそうで、試すのが楽しみです。
(※キルトタイプの場合は、積雪期は頭まで覆うシュラフカバーを使うことで、
ダウンフードなどとの組み合わせにより頭部や肩回りを最低限暖かくすることができます。)
■ミッドレイヤー
MMA×Ranor POLARTEC® PG Zip Hoodie
https://tmrc.tokyo/collections/all-items/products/mma-ranor-polartec%C2%AE-pg-zip-hoodie-mix-gray-1
MMAさんの今冬モデル。写真よりも実物はもっとカッコよく、
それでいてPowerGridという汗処理に優れて、かさばらない素材を利用した軽量ミッドレイヤーは、
10年前に定番だったPatagoniaのキャプリーン4を彷彿とさせます。
これ、100マイルレースの夜間パートや冬のトレラン、ファストパッキングの行動着、雪山の中間着と、メチャクチャ重宝しそうです。
フードやサムホールもついているので、今冬試すのとても楽しみです。
2021年はコロナ禍でも少しずつ山のアクティビティが再開され、
私自身も2020年に比べファストパッキングに行く機会が増えました。
そんな中でも、この2年間道具は確実に進化していて、
ともすると忘れがちだったウェアやギアの情報を最近再びアップデートしています。
2022年はもっと状況が落ち着いて、仲間とみんなで山に行ったり、
海外に気軽に行けるようになることを、心から願っています。
2 コメント
ギア紹介、待ってました!ありがとうございます。冬の早朝ランニングは指かチンチンになる手袋難民です。2019年にも紹介されていたメリノウールのグローブ、今年は買おうと思っています。テムレス、使ってらっしゃるんですか?メリノと合わせて使おうかと思っているのですが、下界なら冬の早朝でもメリノ単体で行けるのでしょうか?
そうですね、「下界」がどこかによると思うのですが、
風のそれほど強くない0℃前後のところであれば、
動き出すとすぐに暖かく感じることが多いですね。
TEMRES winter02のLLサイズと合わせればそこそこの雪山まで対応できそうで、
試してみたいと思っています。