瀬上沢を知ったのは何年前であるか正確には憶えていないが、鎌倉でパタゴニアの環境保護支援活動、Voice Your Choice の展示を見てのことだった。(下記リンク)
http://www.patagonia.com/jp/patagonia.go?assetid=67174#bayside1
横浜市内のホタルの生息地で、自宅マンションの近隣で小さなお子さんをお持ちのお父さんたちは、夏になると子供にホタルを見せようと出かけていくのを見ていたので、「ああ、ここか」と。それが再度、開発が申請され、横浜市から許可が下りればその自然の原型が失われる可能性がある。(写真の一部は、ホタルのふるさと瀬上沢基金のサイトより)
首都圏のトレイルランナーで鎌倉を走る方ならこの風景に見覚えがあるはず。
港南台から市街地を抜け、消防署手前を右折、最初の登りを終えると、「瀬上池が見えますか?」の看板とともに、瀬上市民の森が眼下に広がる。ここは逆に海から港南台を目指すと、夕刻には赤く染まる富士山が見える富士山ビュースポットでもある。この瀬上の森の西側、上郷地区の開発が、一度は反対運動から横浜市が許可を出さずストップしたものの、最近、再び申請されたとのこと。開発内容は次のリンクへ。
http://www.segamikikin.org/index.html
このブログ記事は開発に賛成、反対という単純な構図を煽るものではありません。地権者、デベロッパーの権利、それぞれの立場もあるでしょう。それでも自分はなにかこの森が削られていくのが寂しい。私が生まれた鎌倉市のすぐお隣、自分のトレイルランニングの原点ともいえる鎌倉のトレイルのすぐ脇、というよりもうその一部と言ってもいいこの緑と水が失われていくのが、とても寂しい。
一方、最近、三浦~葉山トレイルで、木のベンチが新しくなったり、大和ハウス工業の名前が入った立派な道標を見た方も多いのではないでしょうか?道標が少ない(というか無い)三浦で大変ありがたいのだが、山1つ削って、将来は宅地、商業施設でもつくるのか?と思ったけれども、どうやら違うようです。土地所有者である大和ハウスが森林、里山の利活用を目指して、その活動をサポートするというもの。
https://www.daiwahouse.co.jp/csr/contribution/environment/hayama.html
http://www.forestock.or.jp/forests/daiwahouse/docs/001.pdf
生前の開高健(だったと思う)が「川ひとつ手つかずで残せんのか」とダムや護岸工事で生態系が大きく変わっていく日本の行政を嘆いたのを記憶している。具体的な解決方法を見いだせずにいる中での直感的な嘆きでもある。今の自分もそうだ。開発デベロッパーや地権者に、大和ハウス工業のような、ノブリスオブリージュ(位高ければ徳高きを要す)的な行動を期待する以外、解決する方法や手段も思いつかない。大和ハウスもCO2削減、オフセットという、利潤とは異なるが具体的な企業原理の下で動いているので、ノブリスオブリージュというのは言い過ぎかもしれませんけれどね。
現代人は谷戸1つ手つかずで残せんのか?
自分にできるとすれば、FBのシェアやブログのスペースに紹介して、トレイルランナーの皆さんに知っていただくことぐらいだろうか。みんなが普段走っているトレイルのすぐ脇でこういったことが起こっているということ、それを少しだけ考えたり、もしかしたらなにか行動できれば、それはとても素敵なことだと思う。
ちょっと真面目な話、書いてみました。
2 コメント
検索してこのブログに辿り着き内容を拝読させていただきました。
瀬上沢をご紹介いただきありがとうございます。
掲載より時間が経っていますが、記事をリツイートさせていただきましたのでコメントさせていただきます。
現在、開発が認可されるかどうかの佳境に入っています。
パタゴニアさんの店頭で署名・広報活動していても、皆様から熱い激励をいただくことが多いのですが、開発事業者の人海戦術に押されていると感じられる現状があります。
よろしければ、改めて周囲の方々に瀬上沢の開発の現状を周知いただければ幸いです。
瀬上沢基金の皆様、
お読みいただき光栄です。自然の中で遊ぶ者として、必要以上の開発はいつか後悔するだろうという直感があります。商圏人口や住宅需要を数値化したものは検証していませんが、下手なデベロッパーによって華々しく売り出された後、経年とともに人口の年齢形成も変りゴーストタウン化している事例はたくさんありますよね。そして自然は二度と回復しない。そういったことは避けたいですね。