富士山御殿場登山口新5合目太郎坊駐車場にて、駐車場の管理人なのか、この悪天候の中、軽卒な登山者がいないか山岳関連のパトロール的なものなのか、私はその場にいなかったのですが、職務質問があったようだ。
「どちらまで?」
「次郎坊までです」
40分後、2本目スタート時
「どちらまで?」
「次郎坊までです(笑)」
もはや3本目には聞かれなかったそうな。不審者ということではないが、変人というカテゴリーにすっぽり入れられたらしい。変人なら富士登山駅伝の練習に来ているランパンにシャツはイン!的な方々がおられるではないか?などと思わず突っ込みたいところだが、そこはどうでもいい。そう、この練習は400mの高低差を一気に駆け上がり、下りでは心拍を整え、また一気にランニング姿勢を維持して駆け上がるレペテーショントレーニング。歩いてはだめ。足場が埋まる砂礫は脚の深層部の筋肉に負荷を与え、ランニング姿勢を維持する体幹に効く。
3年前に初めて参加した時には、1本目からランニング姿勢を維持できなかった。去年はきちんと走りきれたことが嬉しかった。今年は、そこそこ走れているつもりなのだが、チーム最後尾をひたすら走る。俺ってこんなに遅い?と思って過去のログをみると、そうでもない。むしろ速い。チーム全体のレベルがあがっているのだ。これは喜ばしいこと。老兵は死なず、ただ去るのみなのか?いやいや、今年もしぶとく3本こなしましたよ。3本目に、前を走る方との間隔が3分近くあいてしまい、ホワイトアウトの濃霧のような中、自分一人になってしまった。聞こえるのは、地の底から這い上がってきた溶岩が砕けた砂礫を踏む音と、風の音のみ。時折、風で霧が晴れると少し視界が開ける。
そこである曲が頭の中をリフレインしていた。まあ、トレラン女子のツボになるような曲だとか、こだわりのあるロックなんてのだと、とてもカッコいいのだろうが、自分の場合はアニメソング(笑)
やつらの足音(はじめ人間ギャートルズ)40歳以上の方、久しぶりにどうぞ。
午後には溶岩流がむき出しになっている幕岩(世界文化遺産)を通る。往路は濃霧でなにも見えなかったが、復路でははっきりとその荒々しさを見せていた。
この幕岩までアプローチは苔むす美しい森が広がる。
地球を走った実感のある、そんな一日、でも筋肉痛激し。