クールマイヨールのエイドステーションでサポートの妻が待っていた。妻とは当然「年齢別での入賞」という私の目標を共有しているが、私に順位を教えてくれる気配はない。自分も気になるといえば気になるけれど、聞いて悪いポジションだったらと思うとなんだか聞く気にならない。補給をしてシューズとソックスの交換を済ませたら再び走り出した。
時計をチェックすることなく走っていたが、以前このレースを走ったときと同様にベルトーネ小屋に向かう登りで日の出を迎えたので、ペース的にも過去のレースとそう大きな差はなく走れているのだろう。
ベルトーネ小屋からアルヌーバまでは、大きな起伏が無く、明るくなって左手に見えるモンブランなどを望む景色が気持ち良いこともあり、いつもついついペースが上がってしまうセクションなのだが、今、振り返ってみると、ちょっとここで強度を上げすぎたのかなと反省している。結果、この先のフェレ峠の登りだけでなく、その後のすべての登りで全くペースが上がらなくなってしまった。ただ幸いにも平地や下りで走る足は残っていたので、ここからは登りで順位を落としては下りで順位を上げる展開。
気温がじりじり上がってくる中でのシャンペ湖に向かう登りは、今回もとにかくきつかった。疲労のピークで補給もままならず、まったく足が進まなかった。
ヘトヘトになりながら着いたシャンペ湖のエイドステーションで待ってた妻が、ここではじめて自分が年代別で二位につけていること、後ろから二人が15分程度の差で追ってきていることを伝えてくれた。疲労困憊の中、目標としていた年齢別でのトップ3の圏内にいることを知って、なんとかエンジンにすこし火が入った。