5月11~12日に行われた第四回トレニックワールド100mile & 100km in 彩の国。会社同僚と100mileの3人駅伝の部に挑戦してきた。
100mileの3人駅伝は距離162.8kmを制限時間33時間で襷を繋ぐ。ニューサンピア埼玉おごせを起点、終点とした約55kmの3つの周回コースを、North→South1→South2の順にリレーする。
Northは距離51.0km、累積標高3,045m。South1は距離55.7km、累積標高3,100m。South2は距離56.1km、累積標高3,280m。3コースの累積標高は9,425m。累積標高と制限時間を見るだけでも攻略は容易ではないことがわかる。これまでのこのレースの100mile完走率は、第一回0%、第二回9.0%、第三回18.9%。今回が16.1%。間違いなく国内最高難易度の100mileレースだろう。
もしかしたら、3人駅伝なら100mile完走できるかもしれない。本当に軽い気持ちだった。それが甘い考えであったことは試走しただけでわかった。
レース前、僕の重要なタスクのひとつは駅伝の走順を決めることだ。数回の試走でのタイムやコンディション、チームメイトの現時点の走力、経験などで総合力を判断する。第二走の関門20時間の突破を最優先に第一走はモリジー、夜間になる第ニ走は僕、第三走は現時点での走力が劣るカトに決めた。第一走は9時間30分、第ニ走は10時間30分、第三走は13時間。この時間配分で駅伝完走を目指す。
レース当日、午前9時、100㎞と100mile駅伝の部がスタート。100mileのソロの部はすでに午前7時にスタートしていた。第一走のモリジーに与えたミッションは9時間30分で戻ってくること。僕は夜間走に向けて体育館で少しだけ睡眠を取った。ほどなく、体育館に続々とトップランナーが戻ってきた。デポした補給物の補充や着替えをあわただしく済ましてリスタートを切っていく。体育館内に熱気が満ちる。ほとんどのランナーが暑い!暑い!と口にしていた。暑さにやられて熱中症でダウンするランナーもいた。暑さでさらに過酷さが増したこのレース。昨年よりも完走率は低くなるのは間違いない。
僕とカトはまだかまだかとモリジーを待っていた。9時間45分。午後6時45分、闇が迫る直前、ミッションから15分遅れで帰ってきた。ほぼ予定通り。彼はきっちりと与えられたミッションを果たした。
ぐっしょりと汗で湿った襷。想いも加わっているからだろうか、その実際の重さ以上に重い。これが襷を繋ぐということだ。襷を受け取る行為は物理的なことだけでない。チームのために過酷なレースを乗り越えてきた。その想いも受け取ることだ。
モリジー、お疲れ様!
湿った襷をぎゅっと握りしめ、第二走の僕はスタートした。
後半に続く