近年、トレイルランニングシーンは大きく盛り上がっています。山道(トレイル)を自分の気持ちのいいリズムで走り、自然と一体となって楽しむというアクティビティ自体の魅力に加えて、レース(競技)、ギアの選択、メディアでの露出など、奥深い喜びにトレイルランナーは急激に増加中。当サイト「Mountain Martial Arts」も多くのトレイルランニング愛好家に支えられています。
ただ、自然を舞台とするアクティビティだからこそ、山を楽しく安全に走るための技術や知識が必要であり、同時に一歩でも自然の中に踏み込めば、守らなければならないルールとマナーがあります。そして、トレイルランニング初心者にとっては(もしかしたら中級者でも)、学ぶ機会を持たないままトレイルランニングを楽しんでいる方がいらっしゃるかもしれません。
それはトレイルランニングを始めて数年のぼくら(MMAメンバー)にとっても同じことで、もっときちんとした知識を学びたい、広めたいと思っていたところ、四国で森林環境を活用したスポーツイベントや交流事業を行っている「特定非営利活動法人 四国スポーツ環境リレーション」様が自主制作された「TRAIL RUNNNING 10 RULE&MANNER」という冊子の存在を知りました。イラストを中心に、とてもわかりやすくベーシックな山でのルールとマナーが描かれています。
素晴らしい内容だったのでMMAで掲載したいとお願いしたところ、トレイルランニングを盛り上げていきたいというスタンスに共感していただき、二つ返事でご了承いただきました。
知っていて損のない、というよりは知っていなければならないトレイルランニングの10 RULE&MANNER。トレラン仲間やお友達にも是非紹介してください。自分が守るだけではなく、みんなで共有して、一般登山者やハイキング愛好家のみなさまと共に、植物や動物など自然の素晴らしさを楽しみたいですね。
四国スポーツ環境リレーション様、ありがとうございます。
※石鎚山を前提に作られた冊子なので、一部改訂して掲載させていただきます。
トレイルランニングはまだまだ山の世界では新参者です。自然にも他の利用者に対しても、つねに「走らせてもらっている」という謙虚な気持ちで入山しましょう。
登山者やお遍路さんなど、トレイルで会う方には「こんにちは!」と元気にあいさつをして気持ちよくフィールドを共有しましょう。こちらから先にひと声かけることで、コミュニケーションもとりやすくなります。
登山道では上り優先が基本です。立ち止まって「お先にどうぞ」とひと声かけて道を譲りましょう。逆に自分が上りの場合でも、下りの登山者に道を譲るくらいの気持ちの余裕を持ちましょう。
トレイルで後ろから追い越すときは、早めにひと声かけて自分の存在を知らせ、ゆっくりと歩いて追い越しましょう。登山者を驚かせたり、ストレスを与えたりしないように十分に配慮しましょう。
登山者の迷惑にならないよう、大人数で山に入る場合は、少し時間差をつけて少人数で走るようにしましょう。なるべく混雑する時期や場所は避けましょう。
裸地化防止や植物の保護のため、そして遭難予防のため、トレイル以外は走ってはいけません。また、丸太の階段など土砂の流出止めの道では脇の部分を通らないようにしましょう。つねに、安全確保と自然へのインパクトを最小限にすることを心がけましょう。
自分のごみは必ず持ち帰りましょう。公共施設などのごみ箱にも捨てないようにしましょう。トレイルに落ちているゴミを見つけたら拾って帰りましょう。
動植物を傷つけたり、採取はしてはいけません。石鎚山系をはじめとした四国の山々にも希少な動植物が多数存在します。花や風景の写真を撮る際にも、トレイルからそれて周囲の植物を踏み荒らさないように注意しましょう。
人間の糞尿も生態系に影響を与える可能性があります。トイレがない場所では、携帯トイレを使用しましょう。ティッシュペーパーも全て持ち帰りましょう。
トレイルには危険な箇所もあります。事前に下調べをしてから山に入るようにしてください。標識だけに頼らず地図を必ず携行し、現在地を確認しながら進みましょう。無理のない計画で、時間にも余裕を持って行動しましょう。
山を走るトレイルランニングには「山」ならではのルールもありますが、どれも難しいことではありません。トレイルランナーひとりひとりが、謙虚な気持ちでマナーやモラルを守って山を走ることによって、登山者やお遍路さんなど他の山の利用者からも良い認識をもっていただき、山の利用者みんなで気持ちよくフィールドを共有しましょう。
快適に、安全にトレイルランニングを楽しむために、気候や目的にあった適切な装備とウェア選びをしましょう。軽快かつ安全に走るために必要な機能を満たし、軽量コンパクトなものを選びましょう。用具選びに困ったら専門店のスタッフなどに相談しましょう。
トレイルランニング用バックパック:専用のバックパックは、背中の上部にぴったりとフィットし揺れにくく走りを妨げません。ハイドレーションパック内蔵やポケット類も充実したモデルもあります。距離や目的に応じた容量を選びましょう。
紫外線やホコリ、木の枝などから目を保護しましょう。明るさに応じた数種類のレンズがあればGOOD! |
山の上では紫外線も強くなります。熱中症対策や頭部のケガ予防にも有効。吸汗速乾素材がオススメ。 |
ハンドライトよりも両手が空くヘッドランプが便利。明るい日帰りの行動時にも、もし下山が遅れた場合の備えとして装備しましょう。 |
砂利や岩など険しい道もしっかりサポート。滑りにくく耐久性のある専用靴が必要です。自分の足にぴったりのモデルを選びましょう。 |
紫外線対策だけでなく、木の幹や枝、岩などトレイル上には手を使う場面も多いため、重宝します。 |
登山の基本。トレイルランニングも同じです。自分でしっかりとルートや目的地、現在地を確認しましょう。コンパス機能のついたスポーツウォッチなども便利です。 |
運動中の飲料は、カロリーの高いものを選びましょう。水やお茶だけだと体液バランスが悪くなります。十分な量を持ち、補給食との組み合わせも工夫しましょう。バックパックに収納しホースから水分をとるハイドレーションパックなども便利です。 |
軽量かつ高カロリーなスポーツ用の補給食は、かさばらずに重宝します。ジェルやゼリー、チョコバータイプ等、種類や味も豊富。非常食やレース時にも役立ちます。 |
山の天候は急変することもあり、風や雨、寒さに対応。休憩時にもサッと羽織れるものを。軽量コンパクトなタイプがオススメ。 |
万が一の時に役立つ笛。小型で大きな音が出るものを選びましょう。ただし、緊急時以外は吹かないように。 |
ケガや虫刺され等に、現場で応急手当てができるように準備しておきましょう。ハチやヘビなどに対して、毒吸出器も必携です。サポーターやテーピングもあれば良。 |
もしもの時に、寒さや雨風から身を守るために必要。登山でも必携装備品のひとつです。 |