2013年4月2日、東京の岩本町にトレイルランニング&ランニング専門店「Run boys! Run girls!」(以下、RBRG)がオープンした。
Run boys! Run girls!のあるエリア、いわゆる東京の東側は、古い建物を利用したギャラリーや個性的なカフェが集まり、数年前から注目されているエリアである。街自体は歴史を感じさせる風情がまだ残るものの、新しいことを発信したいという意思が、古くて新しいという街の個性を創りだしている。そんな街並の一角にRBRGはある。
東京だから山が近くにあるわけではない。でもトレイルランニング専門店。少し風変わりなこの店は、オープン前からトレイルランナーにはかなり知られた存在である。というのも、オープンすることは一年前から告知されていたのだ。
Facebook pageが昨年夏にオープン。ソーシャルメディアを通じてトレイルランニングコミュニティが広がっていき、様々なイベントを開催することによりリアルなコミュニケーションへとつながっていく。それはイマドキなマーケティングのように聞こえるかもしれないが、すべてはオーナーのトレイルランへの熱意から生まれてきたものである。
オーナーは桑原慶さん。“オーナー”というよりも“店主”という言葉がよく似合う。MMAブロガーでもあり、自身も数多くのトレイルレースに参戦している。STYやハセツネ、IZU TRAIL Journeyといった国内レースから、MMAでもレポートしたウルトラマラソン・カバーヨ・ブランコまで。トレイルランと出会ってからの年数は少ないというが、その密度はとても濃い。
決して広いとはいえない(失礼!)店内だが、品揃えは充実している。アウター、インナー、シューズ、そして小物類。取り揃えるブランドもSALOMONやTHE NORTH FACE、ARC’TERYXやnew balanceといった必須ブランドから、ALTRAやHOKA、LUNA SANDALSといったこだわり系のブランドまで幅広くラインナップされている。ウィメンズアイテムもわかりやすくディスプレイされており、手の届く範囲に桑原さんのこだわりが表現されている印象である。
初日は雨模様ながら、多くのトレイルランナーが来店してくる。ひとつひとつ丁寧に説明する桑原さん。自分の経験と知識を活かした説得力のある言葉だ。
「コアなランナーはもちろんのこと、トレイルランニングを知っているけど、尻込みしてしまっている方にも来ていただきたい」
桑原さんはそう話してくれた。コアでマニアックなアイテムを揃えると同時に、街着でも通用するスタイリッシュなランニングウェアもRBRGにはある。オリジナルのTシャツも展開しており、一見してまとまりのないようなアイテムたちが、RBRGのショップ内で統一感を持ってディスプレイされている。
品揃えの基準は「自分の好きなもの」。機能的だったり、かっこよいものであったりするが、基準に説明はいらないのかもしれない。自分がトレイルラン好きだから、レースにも参加するしイベントも開催する。だからソーシャルな関係がリアルな関係につながっていくし、なによりも自分がよいと思うからお店に置いて、お客様に自信を持ってお薦めする。上記のようにRBRGの店内に統一感があるのは、なによりもひとつひとつの商品に店主である桑原さんのこだわりが詰まっているからだ。
それは古くから伝わる小売店のあるべき姿であるが、便利さや情報が溢れている現代ではどこか新しく感じる。古くて新しいこの街に、RBRGはまるで昔からあったようによく似合っている。
トレイルランナーのみなさんだけではなく、トレイルランニングに興味を持っている方は機会があれば是非岩本町に足を運んで欲しい。トレイルラン好きの店主が、熱い気持ちでトレイルランのよさを語ってくれるはずだ。
岩本町の小さな店には、大きな夢と情熱が詰まっている。
Run boys! Run girls!
住所 〒101-0032 東京都千代田区岩本町2-8-10
電話番号 03-5825-4534
営業時間 12:00〜21:00
定休日 不定休
WEB http://rb-rg.jp(近日中に正式オープン予定)