MMAブロガーオススメレース第二弾は、愉快なMMAブロガーとして人気の高いSHINさん登場!
アメリカ西海岸 メキシコとの国境に近いSan Diego で開催されたSan Diego 100 mile endurance runに参加してきました。
アメリカのウルトラランニング界で長く指導的立場にあるScott Millsによってオーガナイズされているこのレースは、初めての日本人参加者をとても温かく迎えてくれました。Scottは初めての100マイルレースでもある私に到着前からメールでアドバイスをくれ、現地在住のMiekoさんはFBで地元のランニングコミュニティに私のことを紹介してくれるなど、エントリー制限200人という少人数のアメリカのレースならではのホスピタリティでした。
早めに渡米出来たので色気を出してLAに滞在して前日に現地入りというスケジュールが災いの元。バスと電車のトラブルで予定より10時間以上遅れてSan Diegoに到着となり、同じく日本から参加のKoheiさんにはホテルまでの送迎、結局同部屋への宿泊(予約忘れ)、参加できなかったブリーフィングの内容のレクチャーなど、とても迷惑をおかけしました。。。 100マイル前日だというのにクタクタで、ソファーでの一夜では疲れはとれなかったが、そういったトラブルも含めて海外レース。午前4時起床でいつものようにレトルト焼き鮭とカレーで白米を2杯。レンタカーでスタート地点へ移動です。
車で30分ほどのスタート地点、Al Bahlキャンプ場はかなり寒く、周りにはダウンジャケットの選手も。Scottや4月の渡米時に知り合ったBrettと談笑し、昨年の優勝者Jeffにはエールを送った。日本からの参加者として何人かの選手から写真を撮られた。今年で12回目の地元の手作りレースに地球の裏側から参加者が来るということで喜んでもらえているようだ。
日本から参戦のKoheiさんと。
San Francisco Running Company のBrettと再会。
100mileレースでもシャツランです。
ドロップバッグ専用バッグです。結構見かけます。
震えながらスタートを待っていましたが、午前7時のレース開始直後から一気に気温が上がり始めました。上がり始めたというより上がり切った感じ。このレースは日中に走ることになる前半80kmをいかにスムーズにこなすかが大事だと考えていましたが、予想以上の高気温に大きな不安を覚え、近くを走っていたKoheiさんとも「これはやばい」と声をかけあいました。
エイドには好物でこの暑さでも口にしやすいスイカとメロンがありましたが、カロリーを考えてまずはジェルを口にするよう心がけました。エイド滞在は短くしたかったのですが、エイドにある氷水に浸したスポンジを使って体温を下げてから出発しないと耐えられない状態でした。
エイドでは本当に経験豊富なランナーでもあるボランティアが支えてくれました。次の区間のコースプロフィールについての解説や持ち物の確認。日本から来た始めての100マイルに挑戦する私をなんとか完走させてやろうという思いを感じます。
去年の信越五岳を遥かに凌ぐ直射日光で頭がクラクラしてきます。 エイドスタッフが声をかけてくれます。
「水と塩を欠かさずに走り続けろ。歩いたら終わりだ!」
4分の1にも満たない距離でここまで体力を奪われていることに絶望的になり、レースプランは吹っ飛び、何も考えずに走り続けました。
とぼとぼ歩いてるね。
日中ということもありレースの山場の区間。 37kmの最初のドロップバッグ地点ですでに30〜32時間ペースという遅さで焦る一方でしたが、すでに救護スペースに倒れている選手が何人かいた。どうやらこの暑さは例年と比べても異常らしい。
屋根のある救護スペースで着替え。蒸し風呂状態。
この先は13kmに渡る上りが控えている。正午過ぎの最も暑くなる時間帯なので、リタイヤが最も多い区間と聞いていました。 500mlのフラスコを1本増やして水1.5Lにし、ロードの上りということで靴も超軽量シューズに履き替えます。出発直前にエイドスタッフが帽子をよこせというので「何で?」な顔をしたら、「Trust me!」と怒鳴られ奪い取られ、氷を一杯にしてかぶせてくれた。これはいい! とにかく次のエイドを目指すのみだ。
ここで地味だが重大なトラブル発生。出発直後のがれた岩場の下りで足を滑らせて地味に転んでしまった。軽量シューズに履き替えていたことが災いして補強もない部分を打ち付けてしまった。地味だが明らかに骨が痛い。最も重要な区間でやってしまったという思いでテンションがかなり低くなる。 ペースは32時間の完走ギリギリになっていた。タイムチャートの「関門」を気にすることになるなんて…。
勝負所の急登の前でパフォーマンスもテンションもガタ落ち。私から死臭が漂っているのかハエがたかってきてかなり体力を消耗した。 出発前日にDMJのTomoさんから伝授された「残り40kmの乗り切り方」をここで活用させて頂く。ハーフまで残り40km。
13kmに渡ってつづく上りの途中。アイスキャンディーと水を配っている私設エイドがあった。世界で一番美味しいアイスキャンディーだった。2本目を頂いて食べながら走った。
帽子の中の氷もなくなり、持っている水もお湯になり、体温が上昇してきた。貴重な飲み水を体にかけるわけにもいかず、汚い水たまりに買ったばかりのタンクトップを浸して進んだ。Born to Runの場面のように、この汚い水たまりの水を飲もうとしているランナーがいたので「危険だ」と止めた。
途中で噂のヘビに出くわした。詳しくないのヘビというだけでビビってしまう。地元のピエロランナーはヘビを捕まえて、しかも持ったまま走っていた。意味不明だった。
途中で会ったKoheiさんに「完走しましょう!」と声をかけるが、正直口だけ。
Pioneer Mailのエイドから80km地点のSunriseエイドまでの道のりは幻想的でした。右手にはアンザボレゴ砂漠が広がっていた。1700m近い高度に転がる大きな岩はまさに地球が手付かずのまま残っていると感じます。
予想していたより日没が遅く19時過ぎてもかなり暑かったがなんとか80km地点まではたどり着けそうで一安心。
(to be continued)