<以下、サポートとして現地でレースを見た雑感です。>
信越五岳トレイルランニングレース 2023
100mile 629人出走、完走253名、完走率40%
110km 692人出走、完走265名、完走率38%
確かに100mileの完走率はコース設定と制限時間からすると、これぐらいになることも十分理解できますが、110kmが40%を下回るのはやはり特殊な環境下であったのだと思います。参考までに私がペーサーとして走った2012年の110kmは694人出走、437名完走で63%ほどあります。誰でも完走できるほど甘くはありませんが、きちんと準備をすれば、ボーダーラインはフルマラソンの走力で4時間前後+登りの歩きの速さ、だった記憶があります。それと、最後の林道を走れるか否かで達成感が大きく変わるというのは皆さんご周知かと思います。ペーサーは「下っているよ」と言います。選手は「いや、登っている」と言います。どちらが本当でしょうか?謎のままでよいと思います。いずれにせよ美しい110kmだと思います。
選手のサポートで現地へ出向いて、黒姫手前の林道から、緩い斜度部分のゲレンデを自分の脚で数百mほど登りました。とにかく暑かった。選手の皆さんはその後のゲリラ豪雨で身体の表面は冷たくなっても、身体の芯に熱がこもって、熱さが抜けない。そういう感覚だったのではないでしょうか?説明するまでもなく、ゲレンデという場所は、木陰がないから、容赦なく直射日光があたる。人間が手を加えた場所なので、植生も周囲と異なる。強い紫外線での日焼けでも体力が奪われる。最近、私自身はロードバイクに乗るようになり、白いアームカバーを着用するようにしたら、非常に快適になりました。トレランレースではアメリカで砂漠のような休火山帯を走るレースでアームカバーを着用して紫外線を遮断する対策を取ったことはありましたが、日本のランニングレースでは、あくまでも真冬の寒さ対策でした。どちらかと言えば、腕にまとわりつく感覚が嫌いでした。ただ、このゲレンデ区間、あるいは木陰の少ないロード区間の直射日光対策は、首回りの保護、冷却も含めて、日本でも必要な対策の一つかもしれません。サポートも、ウエスタンステーツのように、首に巻いて頸動脈を冷やすために氷をなんとか調達できればよいのですが、なかなか難しいかもしれません。ましてやサポートなしで出られる方も多いでしょうから、マジクールや自分なりの対策が必要だと思います。あるいは、この気候が、ニュースタンダードだとすれば、主催者が製氷機ごと黒姫に配置することも安全管理上必用なのかもしれません。甘やかし過ぎと言われるかもしれませんが、数年前とはもう「気候が違う日本」という現実を直視する時期なのかもしれません。
DNFの方は今、気持ちの整理が難しいかもしれません。人によってその方法はそれぞれ異なるとは思うのですが、ここはひとつ、すべてグローバルウオーミング(地球温暖化)のせいにしてしまう、っていうのはいかがでしょうか。その対策は後から考えることにして、とりあえずビールでも飲んで今はゆっくりお休みください。