7月14日、Glacier試走2日目はRifugio savoiaを4時半に
スタート。
まだ暗くてヘッデン、日本ならすでに明るくなってる時間です。
最初は下り基調の林道とほぼフラットなトレイルを進み、
5kmほど進んで一気に1,900mのpontまで下ります。
ここまで1時間15分くらい。
ここはキャンプ場と宿泊施設があり、車やテントがたくさんでした。
ここからはしばらく川沿いに林道を進み登山道へ。
ここから2,700mまで登りますが、
こんなになだらかな九十九折りの登りやすいセクションはイタリアでは初めて。
日本によくある登りです。
Rifugio Vittorio Emanuele IIはとてもカッコよく、
小屋の前にはイタリアでは珍しい団体さんが出発するところ。
目の前の絶景が素晴らしい。
ここから次のRifugio Chabodまでは1時間くらい。
なだらかなアップダウンとトラバース区間で、TORには無い感じ。
明るくなり日が射してきて暑くなってきました。
小屋は立派、泊まってみたい。
さぁ、ここからが一番きついところ。
3,250mのPassage du Grand Neyronまで登ります。
それほど急ではないのですが、
7月半ば、まだまだ雪が残っていて、3,100mからは朝の日陰はツルツルに凍結。
ここでチェーンスパイク装着、これもTORには無いところ。
しかもかなりのガレ場でルートファインディングに少し迷うところでした。
ピークに着くと、下りの雪の残り方がかなりすごい…
しかもどこ下るんだという感じ。
ここからが際どいハシゴ、ロープ、鎖の連続区間でした。
日本ならレースは開催できないレベル、初心者不可です。
この下りはかなり時間がかかり、
バックステップ、シリセード、チェーンスパイク、ダブルストックなどなどでなんとか通過…
目の前にロソン峠が見えてきます。
TORと違い横から回り込む感じで、TORのコースに合流し、
3,299mのコース最高地点を目指します。
ここの登りがホントに長い… すごく急ではありませんが、標高も高くゆっくりになります。
徐々に三角形が近づいてきて、なんとか到着。
ここも絶景、コルで休んでいる2人組から写真を撮ってほしいとお願いされました。
イタリアの方からお願いされるのは珍しい。
そして反対側からは10人ほどの団体さん、今日は団体さんが多い!
ここからは快適な下り。
スピード出しすぎに注意、ホント走れます。
この標高で走れてしまうトレイルがまたTORの魅力です。
Rifugio Sellaにはたくさんのハイカー、トレイルランナーがいました。この時点で14時過ぎ。
ここからはTORのコースと分かれて、なだらかな下り基調のトラバース区間に入ります。
この区間は面白く、目の前に山々が迫ってきて本当に絶景区間。
途中でちょっとした渡渉があり、
イタリア人ではない方から「流れが急で渡れない、どこを通ればいい?」と英語で聞かれ、
飛び石をジャンプして渡ったら拍手されて面白いことも。
下の方の沢が急になる手前まで進むと、
一気に標高を下げて沢沿いまで下ります。
ここまでもトレッカーが本当に多い、
マウンテンアクティビティが浸透、日常なのを肌で感じます。
沢まで降りてなだらかな下りになると川のようになり、
あとは1,500mのコーニュまで少しずつ下るだけ。
途中から林道になり、TORのコースに合流すればあとちょっと。
コーニュには17時過ぎに到着、なんだかんだで54km。
宿は1kmほど離れたところなので、
中心部の雑貨屋さんでヨーグルトやチーズを買ってから移動。
コスパ最強なのに立派な施設で、レストランも併設。
ここで初ポレンタ! 最高に沁みました。
ツナのピザを全部食べ早々に就寝…
そして3日目は4時スタート。なんとかなりの雨…
宿の人が置いておいてくれたパンやヨーグルトを食べ、
レインウェアを着て出発、登山口までのロードは川。
トレイルに入っても水浸し…
この区間はなだらかに登るので、きっと晴れていれば最高の区間です。
ただこの日はガスガス、なかなか明るくなりません。
そして、、、2,500m越えると、なんと雪に…
ドンドン目の前が白くなっていきます、まさに銀世界。
雪がやむ気配はなく、段々吹き溜まりもできてきて脛まで埋まるところも。
もちろん防水シューズではないので冷たいけど、
風はほとんど無いので寒くはなく低体温の危険性は無し。
ただとにかくナビゲーションが難しい…
プチラッセルで時間もかかります。
2,900mのPas des Invergneuxは手で雪をはらってようやく道標が見えました。
ここからFenetre de Champorcherまでも晴れていれば最高のなだらかか区間のはずです。
ただ、林道は積雪15cmのプチラッセル。
トレイルも雪で埋まり本当に分からない…
なんとかかんとか出発から4時間半で到着。
Rifugio Miserinまではあっという間に着くはずなのに、
全くトレイルが分からす…
しかもめちゃくちゃ滑る。
何度かこけながら、なんとかかんとか5時間半で到着。
ここまで時間がかかっていたので、
GlaciersではなくTORのコースに変更し時間短縮。
2,400mより下は雨、ビショビショになりながら淡々と進み、
Chardonneyには11時過ぎに到着。ここからドンナスまではロードだと20km。
夜にジュネーヴから飛行機に乗るので、クールマイユールには15時半には着いていたい。
そうするとドンナスは遅くとも13時15分発のバス。
Champorcheまで2kmほど走ると、そこになんと路線バス!
迷わず乗りここで今回の山旅は終了。
140km、D±9,000m。
ドンナスには12時前に着き、バスでアオスタ→クールマイユール。
クールマイユールのカルフールでお土産を買い、
バスターミナルの近くのお店でピザを食べ、
まさかのバスが遅れて、シャモニーではまさに動き出したジュネーヴへのバスに必死に駆け寄りドアを開けてもらいギリギリセーフ。
ジュネーヴ空港でロッカーに預けた荷物を回収し、
トイレで着替えてウェットペーパーでカラダをキレイにし、
プライオリティパスのおかげでラウンジで食事して、
ようやく、一息。
エミレーツの翌日羽田着が少し遅れて結局終電、
翌朝はさすがに出勤するのがキツかった…
とはいえ、今回、本当に行って良かったです。
なぜGlacier(フランス語で「氷河」)という名前なのか、すごくよく分かりました。
とにかく氷河との距離が近い、
これでもかというほど氷河の絶景ポイントをコースがつないでいます。
TORのAlta Via 1, 2はシンプルに1,300mの一気登り/下りを繰り返しますが、
GlaciersのAlte Vie 3, 4は変化に富んでいて、
500m、700m前後の小さめのアップダウンや、
谷沿いをトラバースしながら少しずつ標高を上げたり下げたりと、TORには無いような「自然さ」があります。
もちろん、とんでもない激登りもあり、
TORには無いそこそこ難易度の高い鎖場やハシゴ、雪渓通過もありました。
もっと人が入らず不明瞭なのかと想像してましたが、
とてもキレイに整備されていて、コースのつなぎ方も自然です。
TORのコースをファストパッキングしようとすると、かなりの登坂力や走力が必要で、
Rifugio(営業小屋)も少ないのでオススメできる区間が限られるのですが、
GlaciersのコースにはRifugioが多く、しかも小屋の間隔もバランスがいいので、
小屋泊まりで軽めの荷物でファストパッキング、トレッキングするには天国のようなコースです。
今回は前半部分のGlaciersだけのコースの8割ぐらいをハイクすることができました。
後半のGressoney以降をまた行きたいと思ってます。