4時前に起床、大体7時間睡眠が今回の旅のデフォルトになりそう。
標高は1,300m程度なので寒くはなく、夜中も雨が少しパラついた程度で快適なビバーク。
まだまだこれぐらいの標高でこの時期だと、明かりをつけると虫が寄ってきます。
プロテインバーを1本食べて4時40分にスタート。
八紘嶺への登りはそれほどキツくはありません。
トレイルも整備されていて歩きやすく、少しずつ空が明るくなるのを楽しみながら淡々と登ります。
標高を上げてくると、安倍東陵特有の細かなアップダウンがあります。
山頂へは1時間チョットで到着、パンを食べて小休止。
標高2,000mで風がそこそこあり少し寒い秋の朝です。
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八紘嶺
ここから七面山まではコースタイム3時間10分なのですが、
この先が大変でした。一度コルまで下り細かいアップダウンを繰り返していく内に倒木が多くなってきます。
希望峰が近づくにつれ、目の前が一面倒木になり、ルートファインディングが難しくなってきます。
ピンクテープも少なく、倒木を右に左にと避けながら、倒木を登ったり、くぐったり、戻って別のルートを探したりと永遠繰り返します。
2018年の台風24号のダメージがものすごく、自然の力を感じさせられます。
2時間半近くかかりようやく七面山山頂へ到着。雲の合間から少しだけ日が射します。
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倒木
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七面山
ここからはよく整備されたトレイル、走れます。
大崩れを右手に見ながら進むと20分ほどで敬慎院に到着します。
トイレをお借りし、水を汲み、奥の院までは砂利道の林道とアスファルトをつなぎます。
途中で白装束の方1人とすれ違います。七面山が修験の場だということをあらためて感じます。
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大崩れ
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敬慎院
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林道
奥の院からはトレイル、石がゴロゴロしているそこそこ急な下りで、
それほど走りやすくはありません。
途中、雨畑参道への分岐はトラロープが張られていて通行止めです。
下界で補給できる可能性も考え北参道方面に下ります。
安住坊付近で一休みするとヤマビルが1匹だけシューズについていました。
2時間弱で下山、まずは県道近くの自販機でスポーツドリンク1リットル補給、小休止。
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雨畑参道への分岐
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北参道
時間は10時半前、ちょうど近くに早川町の観光案内所があり、
隣の南アルプスプラザに行ってみると、食事は11時からでまだだったものの、
パンや栗のパウンドケーキが売ってる! これは小休憩確定。
翌々日の甲斐駒下山まで食料が足りなそうとちょうど思っていたところだったので、
その場でパンを2つ食べ、さらにパンを4つとパウンドケーキを1つ入手、ザックに放り込みます。
他に補給可能なお店などは付近に無く、もう本当にここには助けられました。
ただ、これでも足りなかった… もっと買っておけばよかったと反省…
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南アルプスプラザ
お腹も少し膨れ、老平までの登り基調のロードは歩いたり走ったり。
50分ほどでヴィラ雨畑に到着し自販機でスポーツドリンクを1リットル。
さらに500mほど進み老平の登山口には車が3台止まっていました。
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ここを左で雨畑方面へ
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ヴィラ雨畑付近、老平は右へ
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老平登山口
しばらくは林道を進み、途中からはトレイルをトラバース気味に少しずつ高度を上げていきます。
山側からはところどころ水が流れていてシャワーのようになっているところや、
吊り橋、ちょっとしたハシゴ、鉄板の橋などがあります。
おおむねよく整備されていて歩きやすいです。
広河原には13時10分ごろに到着・小休止。ここで渡渉があります。濡れずに渡るのはほぼ不可能なのであしからず。
この後は伝付峠まで水場は無いので、2リットルを積みます。
曇りで日差しは無くそれほど暑くもなかったので、結果的にはちょうどよかったです。
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吊り橋
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広河原の渡渉
さぁ、ここからD+1,600mの激登り開始です。
2日分の食料と2リットルの水でザックが重くなかなか進みません。
3日目になってくるとストックのストラップと手が少しずつ擦れてきたり、
ザックの肩の部分も擦れてきたりと少しずつ各所でトラブルが発生してきます。
こういうトラブルに対処・ごまかしつつ進んでいくのが、またロングトレイルっぽくて大変だけど楽しいところです。
登山口の看板で「テン場」となっている桧横手山のフラットなところには1時間40分ほどで到着。
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桧横手山
小休止をしつつ先へ、まだまだずっと急登が続きます。
2,400mあたりまで上がってくると、左手が切れ落ちて空が見えるようになってきます。
曇りですが、昨日通ってきた安倍東稜や、今回は回避した青薙山・青薙崩のあたりも見えます。
布引山には16時過ぎに到着。この付近もフラットな場所が多く幕営適地が多いです。
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この淵を上がっていきます。
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布引山
さすがに2,500mまで上がると秋の夕方の風は冷たいので、
メッシュ生地のロングスリーブとグローブをして笊ヶ岳へ進みます。
ここからはトレイルも整備されていて歩きやすいです。
笊ヶ岳には40分ほどで到着。曇っていましたが、周りの山々はそこそこ見えました。
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整備されたトレイル
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笊ヶ岳
生木割山の急登をクリアして、コルのザレ場をクリアすれば、
あとは細かいアップダウンを繰り返しつつ少しずつ標高を下げていきます。
トラバース気味のトレイルの細いところが多く、それほど人が多く歩かないため、
何でもないトレイルなのですが地面が柔らかく捻挫しやすいので少し注意です。
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生木割山付近のコル
伝付峠には19時40分に到着。今日はこのあたりで終了。
標高差を80mほど田代発電所の方へ下ると水場があります。
ここもdocomoの電波が入ったので明日の天気を確認。
南アの稜線歩きはそこそこ天気もよさそうでほっと一息です。
パンとカロリーメイトとプロテインバーを食べ就寝。
15時間10分、51.9km、D+4,300m。