3時20分に起床。やはり秋の2,000mはかなり冷えます。
プロテインバーを1本食べ、残りの食料はカロリーメイト3つ。
空腹感はあまり無いもののかなりエネルギー不足気味。水は1リットル。
天気はところどころ星も見えてそれほど悪くないなかをスタート。
駒津峰への登りは歩きやすいのですが、さすがに5日目なのと、
カラダの中のグリコーゲンが空っぽでスピードが上がらない、ゆっくり、ゆっくり。
途中ファストパッキングスタイルのご夫婦に追いつきましたが、カラダが温まり着替える間にまた先行されます。ここで早速カロリーメイト休憩。
山と道のザックを担がれていてシューズもトレラン系。こんな人が最近増えて少し嬉しいです。
双児山の手前でパスしたところで日の出、雲の合間からわずかに太陽が見えます。
ゆっくり進み、駒津峰までなんと1時間40分… 時間かかり過ぎ。ここでもカロリーメイト休憩。
ここからの目の前の甲斐駒はいつ来てもいいですね。
直登ルートもなかなかペースが上がらず、少しずつカラダを持ち上げていきます。
ザックは軽いのですがピッチを上げるとすぐに疲れを感じます。
グリコーゲンが空っぽになったとき特有の疲れ方。
筋肉を消耗しないようにほぼ体脂肪だけで登ります。
頂上には6時45分、ちょっと時間かかり過ぎましたがホッと一息。
先客がお一人いて、バーナーで食事を作られていました。
風がけっこうあり寒いのですぐに降り始めます。
降り始めると、ヘルメットをずらっとかぶったガイドさん? 率いるツアーの方とすれ違います。
去年からグループ山行はほとんど見なくなったので、久しぶりに新鮮でした。
その後も平日なのにけっこう登山者の方とすれ違います。
みなさん七丈小屋で宿泊かテン泊されたようです。
テン場でも撤収中の方がいました。少しずつ山のアクティビティも再開されているなと実感します。
七丈小屋はスルーして淡々と降ります。
朝テントを撤収して下山を始めたと思われる方を少しずつ抜いていきます。
平日だからなのか、みなさんソロの方。
ハシゴや鎖を慎重に通過しながら5合目でカロリーメイト休憩。
天気は曇りで暑くなく降りやすいです。
さすがに下から登ってくる方はほとんどいないようで、2グループぐらいとすれ違っただけ。
普段であれば下の方はけっこうスピードを出して走るのですが、
足の疲れと小さなマメ、ガス欠もあり今日は小走りと歩きを繰り返します。
吊り橋にはちょうど3時間で到着。さすがに標高800mは暑いので水をかぶり顔やカラダを洗います。
駐車場の売店でソフトクリーム休憩。アクエリアスを2本補給。
売店の方と久しぶりに談笑。トレランのことをよくご存じのようで違和感なくお話できたのがありがたかったです。
標高を一気に下げると浮腫の原因になるので、ドリンクは多めにとります。
ここからは小淵沢までロード11km。
最初は下り基調なのですが、途中細かなアップダウンがありつつコンビニに寄れるルートをチョイス。
おにぎりを食べ、プロテインドリンクとビタミンジュースを飲み、
スポーツドリンクを1本補給して再スタート。
本当はガッツリ食べたいところでしたが、小淵沢ICまでは走ったりペースを落とさないためショートストップで進みます。
最後の5kmはロードの登りで300mほど登ります。
小淵沢IC近くのドラッグストアに寄り、キズパワーパッドを大量購入。
さすがに5日目になるとザックと肩の擦れや、マメにはならずともくるぶしの下や反対側、
足の裏の一部の「脂」が出なくなってきて、ソックスと擦れるようになります。
早めにキズパワーパッドで保護するとスムーズに進めます。
このあたりもマルチデイレースを何回か経験することで自然と身についたもの。
同じく小淵沢IC近くのコンビニでようやく昼食。12時前に到着し、ここで30分大休憩。
プロテインドリンク2本とビタミンジュースに親子丼とおにぎり。
この後さらに八ヶ岳を越えるので、ガス欠しないようパンやおにぎり、カロリーメイトを多めに購入。スポーツドリンク1リットル。
おにぎりを片手に食べながらまた歩き始めます。
道の駅あたりから雨が少しずつパラつき始めますがまだ問題無し。
観音平手前の登山口までは腹ごなしにロードを歩き通します。
登山口には1時間半で到着。ガスが出て展望は無し。雨が少しずつ強くなってきます。
雲海展望台までの登りは少し笹が茂っていましたが問題無し。
ガス欠しないよう20分に1回のペースで100kcalぐらいを補給します。
雲海展望台でパンを食べながら小休止。押手川の手前で1人下山される方とすれ違います。
編笠山への登りは毎度のことながら本当にキツいです。
5日目になってくると、緩い傾斜は大丈夫でも、急傾斜になると途端に登れなくなります。
それでも朝のスタート時に比べればガス欠も解消され、淡々と進みます。
標高2,300mぐらいでいよいよ雨が本降りになりここで5日目にして初めてレイン上下を着用。
編笠山には15時45分に到着。雨でしたが赤岳方面はなんとか見えました。
青年小屋への下りはスリッピーな岩なので要注意。
テン場にはテントが1張、「遠い飲み屋」の赤提灯は健在で安心しました。
権現岳へ近づくにつれ雨風ともに強くなってきます。気圧の谷が通過中といったところ。
残念ながら権現岳、赤岳とも見えず、ガスガスの中60段の鉄ハシゴを慎重に降ります。
長野側からの風が強く、雨も下から降ってきてかなり寒い。
休業中のキレット小屋付近で雨風をしのぎながら長袖を追加して赤岳に備えます。
幸い雨はそれほど強まらず風だけ。
補給をこまめにした効果か赤岳への登りはそれほど苦労せず18時にライトを使わずに無事到着。頂上山荘はお休みでした。
さぁ、ここからが注意するところ。県界尾根は登りで使えばなんてことないのですが、
下り、しかも雨でウェットなコンディションは要注意です。
さすがにライトを点灯し、鎖やロープを使いつつ、三点支持で慎重にホールドや足場を確認しながら下ります。
クライミングやボルダリングをやっている方からすれば難しくはないのですが、
ランニングやトレランだけをやっている方がいきなり県界尾根の下りに突入するのはNGです。
途中で降りられなくなる方がけっこういらっしゃると思います。
赤岳展望荘は明かりがついてキレイでした。
標高差300mほど三点支持メインで下ったところでようやく傾斜が緩くなります。
後は淡々と下るだけ。ここからが結構長いです。
雨も少しずつ弱まり、小天狗の分岐で清里方面に曲がります。そこそこ急な下りでスリッピーです。
林道に出て4kmほど進むとようやくロードへ。ここでパンを食べ小休止。雨はほぼ上がり、霧雨が少し。
清里駅まではロードの1本道で迷いません。
途中ロードの脇でレイン上下を脱いでいると、さすがに21時前で心配になったのか、
軽自動車の方がわざわざ止まってくれ声をかけてくれました。感謝。
都会だとこういうのは無いので、まだまだ日本も捨てたもんじゃないなぁと実感します。
清里駅前には21時過ぎに到着。
駅前にコンビニがあり、このご時世にもかかわらずイートイン可とのことだったので、
ありがたくオムライスとカツ丼、チーズをガッツリと食べます。
プロテインドリンク、ビタミンジュースも補給し、ようやくカラダが回復するきっかけを得られたという感じでホッと一息。
霧雨が少し降っていたので雨をしのげる適当な場所を見つけて、シェルターは張らずにビバーク。
17時間10分、56km、D+4,300m