「招待選手で出ない?」と主催者から突然メッセが来たのが年末。年に2度は海外の長距離レースに出たいし、万が一トルデジアンに出るとしても間隔的にぴったり!ということで即決。シチリアなんてレモンとマフィアしか連想できなかったけど、これを逃すと一生行かない場所になりそうだったのもポイント。
概要:
CDCはCursa di Ciclopiで、シチリア島最高峰のエトナ山をからめた530キロ、累積標高差20キロで、制限時間は168時間。提携先のトルデジアンとホスピタリティを同等にしてあるので、眠れるライフベースが7箇所、エイドが50箇所用意してある。レースは土曜の午後2時にスタート。ライフベースの間隔は60キロ前後あり、2日めは80キロと最長区間になってます。
実際の展開:
第一回でコースの状況が一切わからなかったので、制限時間の2時間前には通過する作戦。できれば景色を楽しめる日中に進みたいので、3日めまでにライフベース着を深夜にしようと最初は駆け足。実際には4日めぐらいから昼に距離を稼ぐリズムができ、まわりのランナーも固定されてきたので気分的に落ち着いてきた。
食の供給:
食べられなくなると即リタイアの危機なので、大会側が食事を用意しているものの、自前で全食分尾西のアルファ米を持参。実際に用意されたのはトルデジアンと同じくしょぼい内容だったので、これは正解。ほかカップ麺類と、100-240V対応の小型湯沸かし器をイタリアのコンセント変換アダプターとともに持ち込みました。
長距離対策:
4日めぐらいから足の裏が火照ってくるので、マメができないようエイドで足裏を冷却。また足に負担がかからないよう、平たい所を選んで着地。8日間走り続けられるよう、ローインパクトに徹したおかげか、最後までマメ無し痛みなし。
ゴールへ:
スタートと同じくチェファルーの象徴的な教会の前がゴール。観光客が取り巻く中、トルデジアンと同じDJが囃し立ててくれます。メダルを貰って大判ポスターにサインを描いたらディレクターからカンノーロをげっと。現地を代表的するスイーツで、見栄えも味も◎。
シチリアへ飛ぶには:
島だから2回乗り継ぎは覚悟してたけど、実際はITA(破産したアリタリアの機材で飛んでるイタリアの国営企業)を使えばリーズナブルに1回乗り継ぎでOK。ワタシは値段優先でエティハドを使いました。最低価格の便ばかり選んでますが、この数年はエティハド続きです。手間じゃなければローマ便+EasyJetでシチリアへ、という手もあります。
観光はマストで!:
画一的な観光地化が行われていないので、バラバラにのんびりお店を開いている感じです。海の青さと屋根のオレンジ色のコントラストが、シチリアの風景を象徴する色合いとなってます。おすすめはのんびりなチェファルーと、シチリアのハワイと呼ばれるタオルミーナです。
宿のシステム:
フロントのあるホテルは数が少なく、B&Bが基本。どこも築50年を過ぎたヨレヨレの外観だけど、扉を開くとイタリアらしさを醸し出すモダンな内装と、ギャップが楽しめます。またオーナーは客が全員チェックインしたら自宅へ帰るところもシチリア流らしい。
映画で見るシチリア:
実際に『ニュー・シネマ・パラダイス』の舞台であるチェファルーがスタート・フィニッシュだし、『ゴッドファーザー』に出てくる農園らしい箇所を何度も通り抜けるし、近くのタオルミーナは『グラン・ブルー』の舞台となっています。
トルデジアンは倍率高いし登りがキツすぎる、という人や、せっかく走りに行くなら観光もついでに!といった人にぴったり。